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100万本の赤い薔薇
第7章 もう一つの嵐
金曜日の朝、家を出る時間にちょうど長谷川に電話が入って仕事の確認をしていたので、
長谷川に健太と会う話をし損なってしまった茉莉子は、
仕事終わりにそのまま、約束していた駅に向かった。


駅に到着すると、改札の処に健太は立っていた。
会釈をすると、茉莉子の手を握って歩き出す。


「あの?」
と言うと、

「一緒にご飯、食べて欲しい」と言って、
ぐいぐい引っ張るので、茉莉子は少し小走りになる。

「あ、ごめん。
早かったかな?」と少しペースを落として笑う健太は、どことなく寂しそうな顔をしていた。


小さなマンションの4階に上がると、奥の部屋が健太の住んでいるワンルームだった。

中は殺風景で、カーテンもない奥に布団が敷いてあり、
手前にソファー、そして、テーブル代わりにMacのパソコンが入っていたらしい箱が置いてあった。

入ってすぐのキッチンスペースに置いてある段ボールから、
タッパーを取り出して箱の上に並べる。


「これ、オカンが送ってくれたおかず。
結構美味しいはずだよ。
茉莉子さんのお弁当のお礼に、食べて貰いたかったんだ」と言う。


「そうなの。
どれも美味しそうね!」と言いながら、
茉莉子は箱の前に正座をした。
そして、2人で食べ始めた。

部屋にはテレビもないが、
パソコンで音楽を掛けてくれた。


「オカン、心臓悪くてさ。
こないだ倒れたって聞いて。
ちょうど先輩が、大阪で独立してデザイン会社始めてて、
そこで仕事しないかって言われたから」

と、ポツポツと話し出す。

食事が終わると、ソファを勧められて座ると、ちくっとしてお尻の下を見ると、
安っぽいピアスが転がっていて、その上に座ってしまったようだった。

茉莉子はそっとそれを、箱の上に載せた。


音楽がふいに止まった。
立ち上がった健太が、続きを流すのかと思ったら、
音楽を流した後、電気を消して、
茉莉子を布団に引っ張ってそのまま押し倒した。


「えっ?」
茉莉子は何が起きてるのか判らなかった。


「健太さ…」

健太は茉莉子に無理矢理キスをして、両手を一緒に掴んで頭の上で固定すると、
ワンピースを引きちぎるように無理矢理はだけさせた。

胸の辺りに、紅い花びらのような痕を見つけて、
急激な嫉妬心に囚われてしまい、
下着も荒々しく脱がせた。





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