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100万本の赤い薔薇
第8章 新しい息吹き

病院で慌ただしく医師や看護師が動き回る中、
廊下で長谷川は1人、イライラしながら待っていた。
結依は外出していた拓人を待ってから病院に来ることになっていて、
様子が判らないので、念の為、着替えをまとめて用意することになっていた。
中から看護師に呼ばれて、
茉莉子が運び込まれた処置室に入った。
「危なかったけど、なんとか2人とも無事でしたよ。
30代後半か。気をつけてあげないと」と、
温厚そうな医師が言う。
「2人?」
「もう少しで流産する処でしたよ。
安定するまで、少し入院した方が良いでしょう」と言いながら、
看護師に何か指示して、慌ただしく出て行ってしまった。
流産…?
えっ?
それは!!
長谷川は、医師の後ろに居た看護師に慌てて訊いた。
「茉莉子、妊娠してるんですね?
もう、茉莉子も子供も無事なんですか?」
「今日の状態だと暫く安静にされた方が良いでしょうね。
入院手続きがありますので、こちらへ。
あ、今日明日は申し訳ありませんが、
個室しか空きがありませんので、ご承知おきくださいね」
長谷川は思わず、看護師の手を握って、
「ありがとうございます」と言いながら、
涙を流していた。
看護師は目を丸くしながら、
「こちらで手続きを。
良かったですね」と笑った。
程なく茉莉子は病室に移されてきた。
まだ、点滴の針や機械に繋がれていて、痛々しい。
目を醒ますと、
長谷川が心配そうに座っていた。
「茉莉子!おめでただって。
赤ん坊も無事だったけど、念の為、落ち着くまで安静にしておくようにだって。
本当に良かったよ」と、髪を撫でながら額にキスを落とした。
「亮太さん…でも!」
茉莉子は泣きながら続けた。
「父親は…」
「俺だよ?」
「だって…」
「あっ!そうか!!
確率半々って言われたから、期待させてガッカリさせるといけないから言ってなかったな。
手術したんだ。繋げて貰った。
だから、俺と茉莉子の子供に決まってるだろう」と、
嬉しそうに笑う。
「えっ?」
茉莉子は泣きながら長谷川にしがみついた。
「それ、本当ですか?
私…私…どうして良いか判らなくて」
「心配させてたのか。ごめん」
「もう、長谷川さんと一緒に居られないと思って、指輪を外したの。
その後、倒れてしまって」
廊下で長谷川は1人、イライラしながら待っていた。
結依は外出していた拓人を待ってから病院に来ることになっていて、
様子が判らないので、念の為、着替えをまとめて用意することになっていた。
中から看護師に呼ばれて、
茉莉子が運び込まれた処置室に入った。
「危なかったけど、なんとか2人とも無事でしたよ。
30代後半か。気をつけてあげないと」と、
温厚そうな医師が言う。
「2人?」
「もう少しで流産する処でしたよ。
安定するまで、少し入院した方が良いでしょう」と言いながら、
看護師に何か指示して、慌ただしく出て行ってしまった。
流産…?
えっ?
それは!!
長谷川は、医師の後ろに居た看護師に慌てて訊いた。
「茉莉子、妊娠してるんですね?
もう、茉莉子も子供も無事なんですか?」
「今日の状態だと暫く安静にされた方が良いでしょうね。
入院手続きがありますので、こちらへ。
あ、今日明日は申し訳ありませんが、
個室しか空きがありませんので、ご承知おきくださいね」
長谷川は思わず、看護師の手を握って、
「ありがとうございます」と言いながら、
涙を流していた。
看護師は目を丸くしながら、
「こちらで手続きを。
良かったですね」と笑った。
程なく茉莉子は病室に移されてきた。
まだ、点滴の針や機械に繋がれていて、痛々しい。
目を醒ますと、
長谷川が心配そうに座っていた。
「茉莉子!おめでただって。
赤ん坊も無事だったけど、念の為、落ち着くまで安静にしておくようにだって。
本当に良かったよ」と、髪を撫でながら額にキスを落とした。
「亮太さん…でも!」
茉莉子は泣きながら続けた。
「父親は…」
「俺だよ?」
「だって…」
「あっ!そうか!!
確率半々って言われたから、期待させてガッカリさせるといけないから言ってなかったな。
手術したんだ。繋げて貰った。
だから、俺と茉莉子の子供に決まってるだろう」と、
嬉しそうに笑う。
「えっ?」
茉莉子は泣きながら長谷川にしがみついた。
「それ、本当ですか?
私…私…どうして良いか判らなくて」
「心配させてたのか。ごめん」
「もう、長谷川さんと一緒に居られないと思って、指輪を外したの。
その後、倒れてしまって」

