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100万本の赤い薔薇
第8章 新しい息吹き
「もしかしたら、私が悩んでいたから、
赤ちゃん、自分は産まれちゃいけないと思ったのかも。
ごめんなさい。ごめんなさい」と、
茉莉子はお腹を撫でながら泣いた。


「俺の方もごめん。
肝心なことを言ってなくて、
不要な心配を掛けた」と、
茉莉子を包み込んで背中を撫でた。


「退院したら、結婚指輪買いに行って、
婚姻届を出しに行こう」と言ってキスをした。


結依と拓人が病室に来た。

「茉莉子さん、大丈夫?
入院になっちゃうの?
念の為、お着替え持ってきたよ。
学校も冬休み前で半日になるから、
私、毎日来れるからね!」

「僕だって来れるよ。学校近いし」

「拓人くんじゃあ、役に立つとは思えないよ。
洗濯物だって、やったことないじゃん」


2人が賑やかに言い合いを始めるのを止めて、
長谷川は言った。


「内緒にすることじゃないから言っておく。
茉莉子は、赤ちゃんを授かったんだけど、
ちょっと、今日は危なかったそうだ。
だから、少し入院することになったから」


「わー!!素敵!!
じゃあさ、余計に家事とか、手伝わなきゃね!
拓人くん、判った?」


「判ってるよ。
結依はいちいち煩いな」


「ほら、静かにしなさい。
ここ、個室だけど、夜はお隣の部屋まで声が響いてご迷惑だし、
茉莉子も疲れちゃうだろ」と長谷川がたしなめる。


茉莉子は、まだ少し気にかかるような顔をしている。
長谷川は、茉莉子から全ての不安を取り除いてやりたいと思った。


「ここに泊まっていきたいけど、
怒られちゃうよな」とがっかりしている長谷川を見て、

「お父さんの方が、子供みたいじゃん」と結依が笑って、
紙袋から着替えなどを出して棚に入れて行った。

「そうそう。はい!
お父さんの代わりにね」と、
紙袋の下から犬のぬいぐるみを出して、茉莉子に手渡した。


3人は連れ立って病院を出た。
帰宅すると、結依が淹れたコーヒーを飲んだ。


「退院したら、婚姻届出しに行くよ。
良いかな?」

「勿論!
私も着いて行こうかな?」

「邪魔なんじゃない?結依が行ってもすることないじゃん」


そして、拓人は長谷川の方を見ると言った。


「お父さん、お母様を宜しくお願いします」

「えっ?」

「ほら、弟か妹がさ、僕がお父さんのこと、『長谷川さん』って呼んでたらさ、変に思うでしょ?」
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