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100万本の赤い薔薇
第8章 新しい息吹き
長谷川は既に、顔をくしゃくしゃにして泣いていた。

拓人は続けた。
「でも、結依は結依で良いかな?
お姉さんとか、呼べないよ」
と笑う。

「まあ、勘弁してあげる。
じゃあ、私も拓人って呼ぼうかな?
でもって、茉莉子さんは…
お母様?
なんか、私が言うと気取ってるみたいに聞こえない?
ママにしようかな?」

「ええ?
僕はママなんて呼べないよ。
お母様じゃダメ?」

「じゃあ、お父さんのことも、お父様って呼べば?」

「お父様って感じかな?」

また、2人が賑やかに言い合うのを聞きながら、
ポロポロ涙を流す長谷川を見て、
結依は大人びた口調で言った。


「もう!
お父さん、泣き過ぎ!!
そんなんじゃ、頼りないって茉莉子さんに言われちゃうよ?
じゃあ、私が決めるね。
茉莉子さんは、ママって呼ぼうよ。
ほら、赤ちゃん産まれたらさ、最初はお母さんとか口が回らなくて、ママって言うから、それに合わせる!
お父さんのことも、パパって呼ぶ!!
でもって、そのうち大きくなってきたら、みんな適当に呼ぶ。
拓人なんて、『オヤジ』とか、『オカン』とか呼んだりしてね」

「ええ!
パパとママなんて恥ずかしくて嫌だよ」

「うん。俺もムズムズする」

「でもさ。
ほら、あんまり訊いてないけど…
お母様とかお父様って言い方、
なんか拓人くんのあっちの家のこと、連想しちゃうよ。
単に呼び方かもしれないけどさ」

そう言われて、長谷川と拓人は顔を見合わせてしまう。


「じゃあ、パパとママにしよう。
でも、俺は茉莉子のことは絶対にママとは呼ばない。
俺にとっては、ママじゃないから!」と鼻息を荒くしていうから、

「はいはい」と結依が笑った。


考え込んだような顔のままの拓人は、何も言わなかったが、
そんな拓人と結依を見ながら、長谷川は静かに言った。


「2人に話をしておこうか。
茉莉子が戻ってから一緒にと思ったけど、
お腹の赤ちゃんに障るといけないから。
取り敢えず、結依、もう一杯コーヒー淹れてくれるかな?」


結依がキッチンに立つと、手伝おうと拓人も後を追った。
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