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100万本の赤い薔薇
第1章 いつも見てた
マスターのギターは、
普段乱暴に扱われているので、あちこち傷もあるが、
鳴りが良く、弾きやすい。


スケールを弾いてみて、
いくつか7thコードを鳴らしてから、
左手を改めてストレッチした茉莉子は、


「ママ、何か歌う?」
と声を掛ける。


アントニオソング


ゆっくり目にイントロを弾いてみながら、
キーはこれで大丈夫?と、念の為、訊く。


女性にしては低い声のママなら、
オリジナルキーで大丈夫な筈かな?


サビの部分で、ハモっていたら、
ドアが開いた。

健太が少し驚いて固まっている。


歌をやめたママが、声を掛ける。


「お帰りなさい。
早い時間に珍しいのね。
ドア閉めてね。
音が外に流れると怒られちゃうから」


「な、な、なんなんすか?」

と口籠もりながら、健太がママと茉莉子を交互に見て尋ねる。


「今日は暇そうだから、セッションしてたの。
知らなかった?
そうよね。いつも健太くん、遅い時間に来てるから。
茉莉子さん、ギターお上手だし、
音楽の趣味が合うから、
時々こうやって歌ってたのよ」


健太は目を丸くしている。


「この前はありがとうございました。
お礼を言いたかったから、ちょうど良かったわ。
一杯ご馳走させてね。
何にする?」

と茉莉子が尋ねると、


「じゃあ、取り敢えずビールで」
と健太は答える。


ママが、ギネスをグラスに注いで、
茉莉子の隣の席にそれを置く。


「ほら、突っ立ってないで座って。
もう一回、最初から歌うから」

とママが笑いながら言うので、
慌てた様子で健太は座った。

隣ではなく、ひとつ手前の席に座るのが、
シャイな健太らしかったが、
少し離れている方が、安心して横顔を見れる気がしたというのもあるからだった。

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