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100万本の赤い薔薇
第9章 旅立ちの準備
「勝手に漏らしてはないよ。
ちゃんと、茉莉子に許可を得てから教えたぞ。
個人情報だからな」

佐々木がそう言うと、

「もう、良いじゃん。
それよりお腹空いちゃったな」と、拓人が言った。


「すき焼きの材料は、用意したけど、まだお野菜切ってないの。
お母さん、切り方教えて?」
と結依が言った瞬間、茉莉子が固まって、その後涙を流した。
長谷川まで泣いている。


「お父さんは、ベランダの掃除しておいて。
後でテラスでお茶しようと思ったら、
結構枯葉が落ちてたからさ」と拓人が言った。


佐々木は、自分がここに居るのも邪魔なような気がして、
そそくさと帰ろうすると、

「オジサンも一緒に食べて行ったら?
久々の日本の味でしょ?
しかも、考えたらキューピットって、オジサンだったかもよ?
電話番号のこと考えたらね」と、
結依が大人びた顔で付け加えた。


茉莉子と結依がキッチンに立ち、
長谷川はベランダに出たので、
佐々木も後を追った。


拓人は途中、結依に確認しながら、
洗濯機を回した。
下着は、結依がネットに入れてくれた。

干すのもやって貰わないと恥ずかしいなと思った。


ベランダで枯葉を集めたり、
バーベキューグリルの周りを片付けたりすると、
2人、椅子に座った。


「佐々木弁護士からはどこまで訊いた?」と言われて、

「拓人くんが茉莉子の元に戻れるよう、親権を争って、
なんとか解決したってことと、
俺の再婚、茉莉子にって思ったけど、お前本当に間が悪いなと言われたことくらいで」と答えた。

「そうか」
と言うと、
家裁で茉莉子と拓人が、元夫の姉に刺されそうになり、
元夫が庇って死んだことと、刺した本人もその場で自殺したことを伝えた。

「そんなことが…」と息を呑んだ。

「それと…」と続ける。

「元夫と姉のことは、知っているよな。
酷い関係だよな」

「ああ。当時録音録画のこと、俺が指示したし、
動画も見ました。
腹わたが煮えくり返るほど酷かった」

「しかも、彼女は茉莉子さんを憎悪というか、弟を取られるという激しい嫉妬心を持っていて、
その上、拓人くんのことを虐待していたそうだ。
弟にも、折檻してたらしいがな。
SMかよ」

「なんてことだ…」
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