この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
100万本の赤い薔薇
第9章 旅立ちの準備
「でも、唯一の救いは、
彼も心の中では茉莉子を愛していたんだと。
だから、庇って死んだんだよ。
茉莉子は、自分が愛されてないのに、
子供を産む道具にされたとずっと苦しんできてた。
拓人くんのことも、愛しているけど、
愛のない処に産まれてしまったと贖罪の気持ちすら持っていたかもしれない。
最初こそ、そうだったかもしれないし、
言われたこともなかっただろうけど、
彼は茉莉子を想っていた。
そう考えてるよ」

「俺、何にも出来なくて、
何にも判ってなかったな」


「そうそう。
茉莉子を抱こうとして、勃たなかったのはお前か?」

急に話題を変えられて驚きながら声を詰まらせた。

「えっ?」

「茉莉子が学生時代にそういうことになった時、
男が勃たなくて、
自分はそんなに魅力がないのかと悩んでたらしいぞ」


「いや、違います!
いや、違わないのか。
確かに俺、茉莉子のこと好きで、
学生時代付き合ったけど…
茉莉子が完璧過ぎて、
それに綺麗過ぎて、
何にも出来なかったんです。
怖がってるの判ったし、
震えてる茉莉子にそんなことするなんてと」


「馬鹿か、お前は。
震えてるからこそ、
震えが止まるまで抱き締めてやって、
どんなに自分が茉莉子のことを愛してるか伝えて、
どんなに茉莉子が美しいか伝えて抱かないと、
安心させてやれないだろう?
俺はそうやって、茉莉子を抱いたよ。
もう、絶対に離さないし、
誰にも譲る気はない」

「馬鹿なのか、俺…」


「それにな。
茉莉子は今、妊娠してるんだ。
これから、茉莉子と拓人、それに結依と、
名前はまだないけど産まれてくる赤ん坊と、
1つの家族として暮らして行くんだ」

そう言うと、佐々木に追い討ちを掛けるように言った。


「これから入籍だ。
披露宴は難しいけど、
何がしかはするから、キューピットとして招待してやるよ」
/245ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ