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100万本の赤い薔薇
第10章 華燭の祭典
茉莉子の母とそのパートナーには、こっそり来日して貰っていた。
結婚式を挙げることをとても喜んでくれていた。


そして、茉莉子と長谷川が仕事で留守の時間帯を狙って、家に来て貰った。
自分が嫁入りの時に着たという豪奢な一振りの花嫁衣装を用意してくれていた。
長谷川にも…と言って、紋付袴を用意して持ってきてくれていた。

そこまで考えてなかったので、
結依と拓人はびっくりした。

渡したかったものを手渡すとホッとした顔をすると、
海外暮らしをしている祖母は、
拓人を抱き締めて両頬にキスをした。
本当に大喜びだった。

そして、結依も抱き締めて、
「孫娘が出来て嬉しいわ」と、同じように抱き締めて両頬にキスをした。

「この着物なら、結依がお嫁入りする時にも着れるわね。
その時まで長生きしなくちゃ」と笑った。


祖母のパートナーは、祖母よりかなり若く見えた。
フランス人だと聞いていたが、フレンドリーに笑ってカタコトに日本語で挨拶してくれた。

結依が学校で習ったフランス語で挨拶をすると、
とても喜んで早口になるので、
言っていることはさっぱり判らなかった。


茉莉子の防音ルームに2人を連れて行き、
ヴァイオリンを見せると、

「まあ、懐かしい。
私の父のヴァイオリンだわ!」と言って、祖母はそっと撫でた。

そして、手前の部屋に置いてある家具も懐かしそうに撫でて歩いていた。
祖母や茉莉子が育った家の家具の一部だったそうだ。
既にその家は処分したが茉莉子が大切に使っていた。


結婚式の後の身内だけの披露宴の時に、
良かったら演奏して欲しいと頼むと、
快く引き受けてくれて、
演目を決めて、結依がピアノ伴奏することになった。


「楽器は自分のものを持って行くから、
久し振りに茉莉子とも演奏したいな」と言った。

茉莉子のヴァイオリンの先生だったということを初めて結依は聞いた。


着付けを頼む時はお腹を締め過ぎないようにお願いするのよ。
ああ、心配だから、私がしようかしら?
とあれこれ言い始める祖母を見て、
結依も拓人も心が温かくなった。

遠く離れていても、家族の絆を感じた。


「リフォームでグランマの部屋も用意するってさ」と拓人が言うと、
「あなた達も、いつでもニューヨークにいらっしゃいな。
素晴らしい演奏家や先生もたくさん居るから!」と言って帰って行った。
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