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100万本の赤い薔薇
第10章 華燭の祭典
「なんかパワフルで楽しいお婆ちゃまだったね」と、結依が溜息混じりに言った。

そして、
「家族が増えて嬉しい。
拓人くんのおかげだよ。
私のとこは、私を捨てたような母親と、
それを見て見ぬふりをしてた祖父母しか居ないから」と寂しそうに笑った。

「お父さんが居るじゃん。
お母さんと僕も居るから」と、
拓人は結依の手をギュッと握って言った。

「僕だって、お母様、じゃなくて、お母さんが居なかったらさ、
いかれた父親とオバさんしか居なかったんだよ。
だから、お父さんと結依が家族になってくれて本当に嬉しいよ」


拓人は、結依を引き寄せてキスしようとした。
結依は慌てて、頬を差し出すと、

「ほら、姉弟だからさ、
親愛のキスだけだよね?」と言って笑った。

「あ、そうだよね。ごめん」と言って、
拓人は、両頬に改めてキスをした。


「でも…」と拓人は心の中で続けた。

血は繋がってないから、
それ以上も良いんじゃないかな?


今は判らないけど。
いつかそうなる日が来るかもしれないと思ったりもした。
だって、僕は物凄く結依のこと、好きだ。

結依は既に気持ちが切り替わっていた。

着物の着付けのこと
お色直しのドレスのこと〜これは茉莉子さんの社長の奥様が選んでいる〜
演奏のこと

することはまだまだ沢山あって、

「うわー」と叫ぶと、

「拓人くん、練習しなくちゃ!
やること、まだまだ、あるよ。
期末テストもあるし、大変だよ」と言うので、
拓人は大笑いしてしまった。


「着付けは会場で頼めるから、忘れ物しないようにリスト作れば?
ほら、着物なのに、履き物が靴しかないとか、シャレにならないでしょ?」と言うと、

「拓人くんて、冷静だよね?」

「結依が感情的なんじゃない?」と笑った。

でも、そんな感情豊かな処が、自分たちを明るくさせてくれるし、
あんな生い立ちなのに、
いや、あんな生い立ちだからこそ、明るく振る舞ってきたんだろうと、結依の芯の強さを感じた。


「僕たちも連弾とかする?」

「おっ!良いね!
譜面見ようよ」と、リビングに行って、
床に譜面を並べて二人で見て過ごした。



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