この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
100万本の赤い薔薇
第10章 華燭の祭典
この年の桜は思いの外のんびりしていて、
サプライズ決行の日は、ようやく開花宣言された2日後だった。

格式の高い庭園のあるホテルの空中庭園などを貸し切っていた。

茉莉子には、
「グランマが日本に来てて宿泊してるって」と言って、
拓人と茉莉子と2人でタクシーに乗り込んだ。

「グランマのパートナーさんも一緒で、
お母さんのヴァイオリン、聴きたいらしいよ?」と言って、
ヴァイオリンと譜面を持っていくのにも成功した。


結依と長谷川と佐々木は別のタクシーで、
茉莉子の婚礼衣装や長谷川の紋付袴を持って追いかけた。


洋装一式は、社長の奥様が現地に運んでくれることになっていた。


ホテルに着くと、担当者の女性が、
「こちらへ」と言って、控室に連れて行かれた。

中には、いつもお願いしている美容室の担当スタイリストが黒服で待っていた。

「先に和装なので、それはそちらにお任せしますね」
と言って下がると、
ベテランそうな女性が2人入ってきて、

「それでは、肌襦袢までは先に失礼しますね」と言って、
茉莉子の服を脱がせ始めた。

そこに結依が大きな包みを手に入ってきた。


「えっ?結依ちゃん、これって?」


「グランマとジャンさんに着物見せてあげようと思って。
桜と着物って、日本的でしょ?」と言って、
包みを年配の方の女性に渡すと、

「私も折角だから、お着替えしてきます」と、
スタスタと出て言ってしまった。


足袋も履かせていただき、肌襦袢まで着せられた。

そして、ひんやりとしたお化粧を顔から首筋までされてから、
日本髪の鬘をつけられた。


「これって?」


バランスを見ながら鮮やかな紅を唇と目尻に施されると、
立たされて長襦袢と黒地に美しい刺繍が施された大振袖を着せられた。

ふっくらと綿も入れられた大振袖は、八掛の真紅が黒と美しいコントラストを見せていた。


「白無垢もと仰っていたんですが、ドレスもお有りになると伺って…お身体にご負担になるといけませんので、和装はどちらかにされたら?とお伝えしたら、こんなに素晴らしいお着物をご用意されてたので、貸衣装の白無垢なんかよりずっと素晴らしいと思いまして…
お母様がお召しになったものだそうですよ。
お母様のお母様もだと。
3代続いての御衣装、本当に見事でございます」と言われた。
/245ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ