この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
100万本の赤い薔薇
第10章 華燭の祭典
もう一方の控室では、
長谷川が紋付袴を着せられていた。


「タキシードだけだと思ったのに」と言うので、

「グランマが用意して持ってきてくれたんだよ。
だってさ、お母さん着物なのに、
お父さんタキシードじゃ、バランスおかしいじゃん」と、
拓人が言った。


「何か、おかしくないか?」というから、

「似合ってると思うよ。
お父さん、しっかりしてよ。
それじゃあ、お母さんのサプライズにならないじゃん」と、
拓人が言った。

「ま、この紋付袴は、グランマと結依と僕からお父さんへのサプライズだけどね」と笑った。

「あとさ、お母さんより先に泣くなよ。
お父さん、涙脆いからさ」と、大人びた口調で続けられて、
しゅんとする。


「自信ないな。
茉莉子見た瞬間から、俺、泣きそうだよ」


係に呼ばれて控室を出る。

長谷川の家に合わせて、
神道での式に決めていた。

家族や知人が座る中、
神主が先導し、長谷川と茉莉子が歩く。


祝詞を上げられると、
結依と拓人が笑いそうになるのを堪えているのを見て、
佐々木まで、笑いそうになり、
母親から膝をつねられていた。


三三九度を上げる時は、
茉莉子は格好だけだった。
妊婦にお酒は禁物だ。

柏手を打つ。
深くお辞儀をする。
お榊を奉納する。
親族も御神酒をいただく。


結依と拓人には、
そしてグランマとパートナーにも、
流れや意味は判らなかったけど、
厳粛な雰囲気だけは感じた。

結依は頭の中で祝詞を譜面にしながら聴いていて、
面白い音階だなと思った。
拓人は祝詞の中に出てくる名前や住所の固有名詞や、
繰り返しでてくる呪文のような言葉を噛み締めていた。


厳粛な式が終わると、庭で写真を撮った。
集合写真の他、
カメラマンが別に数人いて、
色々なショットを撮っていた。

そして、お食事をする会場へと席を移した。
/245ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ