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100万本の赤い薔薇
第10章 華燭の祭典
食事は、欧米人が4人いることを考慮して、
日本料理とフランス料理を折衷させたものだった。

野菜などは和食の技で美しく飾り切りされていたり、
食器も洋皿だけでなく、
どっしりとした漆器なども使われていた。


「着物で苦しくないか?」と、長谷川が茉莉子に気遣うが、

「ゆったり着せてくださったから大丈夫です」と、
茉莉子はにこやかに箸を進めたが、
逆に長谷川の方が胸が一杯で、食べれない状況だった。


乾杯の音頭は、茉莉子の会社の社長が取った。
父親代わりでもある気持ちだったであろう社長は、
途中で涙が止まらなくなり、
唐突に「乾杯!」と言った。

そして、スピーチの代わりにと、
長谷川と茉莉子がマイクを持って、
1人ずつ紹介して回り、一言いただく形にしていた。


最初のテーブルは、
社長と奥様、第一秘書になった林と、
上海からの顧客夫婦だった。
茉莉子は通訳をしながら和やかに挨拶していった。

次のテーブルには、
弁護士の佐々木夫妻、
それに長谷川が世話になった大学教授夫妻が居た。

3つ目のテーブルには、
グランマとパートナーのジャン、
カルティエのジャン・ピエールと、
2人の子供たちのピアノ教師が居た。
その席は、フランス語とイタリア語が飛び交う席なので、
茉莉子が通訳しながら紹介した。

4つ目のテーブルには、少し緊張して、
バーのマスターとママ、
長谷川をそのバーに連れて行った阿部が座っていた。
健太の席も作っていたが、誰も座って居なかった。

そして、最後のテーブルには、
大学教授をしているという長谷川の父親と結依と拓人、
それに佐々木が座っていた。

最初は佐々木弁護士達と一緒に高い席にと言っていたが、
「絶対やだ。
また、俺、説教されるだけだもん」と言うし、
結依が「まこちゃん、家族みたいなもんじゃん」と言って、
気楽な末席にとなったのだった。

食事が終わって、中締めという感じになり、
茉莉子と長谷川はお色直しするので、
コーヒーとデザートで少しが歓談をとなった。


「なんか、緊張してきた。
あそこのテーブル、ヤバくない?
有名演奏家が3人座ってるんだよ?」

「まあ、お酒飲んでる人に、お祝い演奏するだけだから、
大丈夫だよ」という拓人も緊張してるようだ。

「主役は茉莉子。
自分は添え物と思えば平気だよ」と、佐々木は呑気な顔で言った。
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