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100万本の赤い薔薇
第10章 華燭の祭典
「ごゆっくり」と言って、外に行こうとする健太を呼び止めて、

「健太さん、本当にありがとう」と茉莉子は言って手を差し伸べた。

「こちらこそ、ありがとう」と握手をして、健太は外に出た。

まだ仕事途中だったらしく、
本当にたこ焼きを届けてくれる為に戻ってきたらしかった。


やっと、きちんと健太に話が出来たと思った。
長谷川が茉莉子の手を握ってくれている。


もう、大丈夫。


そんな気持ちで、長谷川の手を握り返した。


店を出て、ホテルに戻ると全員疲れているようだったので、
部屋でゆっくりすることにした。
広いスイートルームだったので、
リビングスペースのソファでのんびり話をした。


結依と拓人は性別が気になってるらしかったが、
茉莉子は敢えてお医者様には訊かないでいた。
長谷川もそれで良いと思った。

きちんと話せてなかったかもと切り出しながら、
長谷川は転職の話をした。

「えっ?聞いてたっけ?」と結依が言うと、
「聞いてなかったよな」と拓人も言う。

「ほら。お父さんあるあるの、肝心なことを言わないヤツだ」と結依が締めくくった。


外資系だと仕事の時間が遅くなることと、
立場的に会食や付き合いが多かったが、
それだと茉莉子の育児や結依や拓人との時間も取れないし、
家事も手伝えないから、
今の会社は今月一杯で辞めることにした。


「えっ?無職になるの?」と結依が驚いた顔をすると、

「まさか!
これまで非常勤してた大学で教える仕事をメインにするよ。
教授のポジション空いたからって言われてね。
まあ、給料は下がるけど蓄えもあるし、
そんなに生活レベルは変わらないと思うよ」

「だから、結婚式に、大学の恩師っていうおじいさんが来てたの?」

「そうだよ。退官されるから、
その後をって言われてね。
それなら、大学の授業の日以外は、
比較的家にも居られるし、
家でも研究は出来るし、
家事も育児も出来るしな」と笑った。

「別にお父さんが仕事変わって貧乏になったとしても、
一緒に居られる時間増えた方が良いじゃん。
みんなで家事も分担すれば良いし、
贅沢しないように家計簿とかつけたら良いんじゃない?」

「いや、結依さー。
絶対三日坊主になるよ?」と拓人が言って、
また部屋が賑やかになった。


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