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100万本の赤い薔薇
第11章 小さな箱
2人は中に入って、茉莉子のごちゃごちゃ部屋に行った。

ずっと置きっ放しだった鍵付きの箱持ってリビングに戻り、
ソファに座った。

そして、鍵をそっと開けると、
中には更に小さい幾つかの小箱と封筒が入っていた。


茉莉子は、震える手で、封筒を開けた。

大振りの万年筆の文字で、
かなり分厚い枚数の手紙が綴られているようだった。


茉莉子は静かに読み始めた。
途中で何度も涙を拭ったが、
ついには涙で文字が読めなくなるほどだった。


そして、小箱を手にしてみる。
小箱の上には、小さい文字を書いたテープが貼ってあった。


茉莉子22歳
茉莉子23歳
茉莉子24歳

茉莉子36歳でその箱は終わっていた。

それは、渡されることのなかった茉莉子への誕生日プレゼントだった。
どれも同じ真珠を扱う老舗の店舗の箱で、
大きさは様々だった。


茉莉子はもう一度、手紙を手に取った。

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