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100万本の赤い薔薇
第11章 小さな箱
このページから、インクの文字が急激に乱れていた。
文章も口調が少し異なるようだった。




茉莉子さんが出て行った後も、
私はよく姉に鞭で打たれてはその後言いなりになって貪られるのは辛かった。

時には拓人も鞭で打たれていたし、
庇うことも出来ない日もあった。

私と拓人が、茉莉子さんのことを想っていることを、
姉は知っていて、
激しい憎悪と嫉妬心に苛まれているようで、
私が庇うと更に拓人を折檻した。

私はただ、その嵐のような気持ちが過ぎ去るのを待つしかなかった。

本当は拓人のことも毅然として護るべきだった。
例え、姉を殺してでも。
いや、やはりそれは出来なかった。

でも、姉を殺すなら、
もっと早い時期にするべきだったと考えることもしばしばあった。

茉莉子さんと一緒になる時に、それをするべきだったのに、
出来ないまま、妻も子供も護れない情けない人間だったから、
結局、茉莉子さんも拓人も、私から去って行った。


ただ、先日拓人が家を出て茉莉子さんの所に行った時、
正直、ホッとした。

これでもう、姉が拓人を鞭で打つことは出来なくなる。

私に対しては、これからも、
もっと酷く鞭で打って、
その後は泣いて謝りながら私を食い尽くすのだろう。
でも、それで構わない。
どうせ地獄に堕ちる身だ。

膵臓癌も見つかっているので、
そんなに長くも生きられない。


でも、最後にこれだけは、
茉莉子さんに言いたかった。


私は、茉莉子さんが産まれて私の病院に連れて来られた日から、
茉莉子さんは私の天使だと思っていた。

大きくなるにつれて、その美しさに強く惹かれていた。

姉のことがなければ。
そう言うのは言い訳で卑怯かもしれないが、
姉との関係がなければ。

いつもそれを悔やんでいた。

そして、初めての時、
あのような卑劣なことをせず、
普通に茉莉子さんのことを抱くことが出来れば良かったと今でも悔やんでいる。

あんなことをした私の言葉を信じてくれるとは思えないが、
茉莉子さんを心から愛していた。

今でも愛しています。
そして、拓人を産んでくれて、
本当にありがとう。

一度も言葉に出来なかった。

そして、本当に苦しめてしまった。
済まなかった。

2人を支えて護るような男性と幸せな人生を送ることを、
心から願っている。
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