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100万本の赤い薔薇
第11章 小さな箱
帰宅して程なくすると、
長谷川の父親が家を訪ねてきた。


「お父様、お呼び立てしてしまって!」と言いながら、
京都の和菓子と玉露を勧めた。


「お言葉に甘えて遊びに寄らせて貰いましたよ」というので、

茉莉子は、
「こちらのお部屋、ちょっといらしてください」と、父親を引っ張って行った。


リフォームした側の1部屋は、
書斎にしていた。


「ここ、お父様用に半分棚を開けてあります」
と言われて長谷川の父親は驚いてしまう。


「デスクも2人分置いてありますので、
席を並べて研究出来ますよ」と笑った。


更にその奥には、居心地の良さそうなプライベートルームも出来ていた。


「お夕食ご一緒したりだと、遅くなったりすることもあるでしょうから、お泊まりいただけるようにと。
お父様のお好みが判らなかったので、
私の亡くなった父だったら?って考えながら、
ご用意しました。
お気に召さなかったら、ご一緒に模様替えしたいです。
私、インテリア考えたりするの、大好きなので」と言った。


「俺は聞いてなかったけど、
茉莉子は…オヤジの部屋と、茉莉子のママたちの部屋も作ってたんだよ。
大家族で子育てしたり、暮らしたりしたいんだってさ」


「私なんて、頑固でつまらない爺さんだぞ」


「あら!
お父様はウィットに飛んでらして、お話しするの楽しいわ。
それに…
お母様亡き後も、お1人であんなに綺麗に暮らしている時点で、
亮太さんより余程、お家のこと出来ると思いましたわ」と、
明るい声で笑った。


結依が帰ってくると、

「わっ!おじいちゃま!
遊びに来てくれたんだ!
子供の頃とか、あんまり会った記憶なかったけど、嬉しいな」と言う。

拓人も帰って来ると、
「2人とも京都の和菓子があるから、こちらにいらっしゃい」と声を掛けた。


ダイニングテーブルは同じものを増やして繋げて、
大きく使えるようにしていた。
椅子の数も増えて賑やかだった。


初めて夕食を一緒に食べながら、
密かに長谷川の父親は時々涙ぐんでいた。


「ここさ、中華料理店みたいに、丸くてグルグル回るテーブルにしたら良いのに」と、結依が言うので、

「それも楽しいじゃん」

「赤ちゃん用の椅子、丸いテーブルだとキチンと設置出来るかな?」

「おじいちゃま、今夜は泊まっていけるの?
お母さんの朝ご飯も美味しいよ」
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