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100万本の赤い薔薇
第12章 エピローグ
髪もショートボブにした茉莉子は、
以前より若々しく、あどけない少女のようにも見えた。

長谷川と手を繋ぎながら、庭園を散策する。


「亮太さん。
私、本当に幸せだわ。
以前はね、欲しいものも何もなくて、
拓人さんだけが欲しいって思っていたの。
それなのに、愛する人がこんなに沢山出来て…」


「ダメ!
茉莉子を一番愛していて、
茉莉子も一番愛してるのは、俺だからね?」

そう言って、長谷川は茉莉子を抱き締めて情熱的なキスをする。


「あん。ダメよ。
赤ちゃんが動いちゃうから」


「あ、ごめん」


「亮太さん、本当にありがとう。
ずっとずっと、一緒に居たいわ」


長谷川は耳元のピアスと首筋のネックレスを優しく撫でながら言った。


「亡くなった先生も、
茉莉子のこと、拓人のことをとても愛してたんだよ。
だから、こうやって時々、
プレゼントを身につけてあげると良いよ。
でも左手の薬指は、俺のものだから」

と、茉莉子の指に輝く美しいダイヤモンドの指輪とシンプルな結婚指輪を撫でた。


「結局、性別も聞かなかったけど、楽しみだな。
茉莉子に似た可愛い女の子でも、
茉莉子に似たシュッとした男の子でも、
どっちでも良いな」

「あら。
亮太さんに似た女の子か男の子ってこともありますよ」

「茉莉子に似た女の子だと、溺愛しそうだな」

「甘やかし過ぎないでくださいね?」と、クスクス笑う。

「いや、俺が一番甘やかしたいのは茉莉子だけだ。
だから、俺のことも甘やかして?」


そう言うと、もう一度優しくキスをした。




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