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100万本の赤い薔薇
第12章 エピローグ
出産の日の前日に入院し、翌日の午前中には帝王切開ということになっていた。

心配の余り、個室にして貰い長谷川は前日付き添いで病院に宿泊した。

「大袈裟過ぎて恥ずかしいわ」と茉莉子は言ったが、
流産しそうになった時にも世話になったベテランの看護師がこっそり許可してくれた。

ベッドを横にずらして、手を繋ぎながら眠った。

そして、祈るような気持ちで出産が終わるのを、
長谷川と結依と拓人の3人で待った。


「おめでとうございます。女の子ですよ」

そう言われて、3人は喜んで肩を組んで泣いた。

茉莉子も無事ではあるが、麻酔が切れるまで、時間がかかると言われたので、
ひとまず3人は病室に戻り、
結依は長谷川の父親と佐々木に、
拓人は茉莉子の母親に、それぞれ連絡した。
また、長谷川は茉莉子の会社の社長と佐々木弁護士に連絡した。


そして、長谷川は、飲み物を買ってくるよと席を外し、
健太にも電話を入れた。

健太も心から祝福の言葉を伝えてくれた。
そして、退院に合わせて花を贈りたいと言ってくれたので、
住所を教えた。


茉莉子の病室には、
真紅の薔薇が飾られていた。

生花はご遠慮くださいと規則にはあったが、
個室だから良いですよと言って貰えていたからだ。



茉莉子がストレッチャーで運ばれてきて、
ベッドに移された。


「お母さん、眠れる森の美女みたいだね」と結依が言うと、

「本当に綺麗だ」と、長谷川がしみじみ言った。

「目が醒めたらキスするんでしょ。
僕たち、外に出てようか?」と拓人が言うので、

「全員で、茉莉子にキスすれば良いよ。
お帰りって」と長谷川が言った。


「帝王切開なんて、簡単な手術だって説明されたけどさ。
目が醒めないんじゃないかって、心配で心配で、
昨日眠れなかったんだ」と、長谷川は頭を掻いた。


茉莉子が目を醒ますと、
自分を囲むように3人が居るので、
目をぱちくりさせてしまった。

その後、長谷川が額に、
結依と拓人は、それぞれ自分に近い方の頬にキスをした。


「お帰り、茉莉子。
赤ちゃんは女の子だったよ。
みんなで名前、決めないとな」と言う。

「目が覚めたって、ナースコール押した方が良いじゃない?」

「麻酔切れて少しすると、
物凄くお腹痛くなるんだって。
鎮痛剤切れる前に、お薬飲んだ方が良いって言ってたよ」

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