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100万本の赤い薔薇
第2章 初めてのデート
夕方、珍しく定時で鞄を持って会社を出た瞬間に、
心の片隅にモヤモヤしていたものの正体に気付いて、

「あー!!」
と声を上げてしまった。


ランチ代、払うの忘れてもうた!
あかーん!


慌てて、ベトナム料理屋に立ち寄り、
入り口で、ランチを予約していたことと、
代金を払わずに出ていたことを伝えると、
奥から昼に対応してくれたスタッフが出て来て、

「お連れ様から頂戴いたしましたよ」
と言われて、健太は自分の不甲斐なさに愕然とした。




店の外に出ると、
携帯を出して茉莉子に電話を入れたが、
コール音がするだけで、出ることはなかった。


バーで待ってたら会えるかな?



健太はいつもより早い時間にバーに向かった。
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