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100万本の赤い薔薇
第2章 初めてのデート
「これだけ覚えれば、
取り敢えずカッコよくブルージーに歌えるわよ」

茉莉子はそう言って、
マスターにも、
「ねー、大きい声で歌ったり弾いたりしないから、
今度ギター持ってきても良い?
そしたら、セッション出来て楽しそう!
でも、マスターいつも、フラフラ居なくなってるからなー」
と悪戯っぽく言った。


マスターは、
「セッションならいつでも大歓迎!」と言うが、
もうギターを離そうとしない。
子供のような顔をしているので、
茉莉子と健太は思わず笑ってしまう。

「ママが来るまで待ってようと思ったけど、
今日は帰りますね」
と言って、茉莉子が席を立つので、
健太も立ち上がって、

「送ります」と言ってビール代を忘れずに置いた。


「送って貰うほど遅い時間でもないけど、
駅まで歩きましょうか?」と言って、
2人でバーを出た。


通りに出た処で、茉莉子のバッグの中で携帯が鳴った。


茉莉子は携帯を取り出すと、
健太にごめんなさいと言ってから、


「はい」
と電話に出る。


「やっと出てくれた」
という声が、
電話越しとリアルに2人の後ろから聞こえて、
ゆっくり振り返ると、
長谷川が電話を切りながら、

「やあ」と右手を軽く上げたところだった。



「別にストーカーしてた訳じゃないよ。
この店に行けばまた会えるかなと思って来てみたら、
ちょうど中から出てきた処だったんだ。
電話しても出ないのは、
意図的なのか、タイミングなのか判らなかったから、
確かめようと思って携帯鳴らしてみたよ」

長谷川はそう言いながら、顎を掻いて、

「意図的ではなくてタイミングだったね。
今日はこれからデートなのかな?」
と、2人を交互に見ながら長谷川は笑った。


健太は、この若造がと自分が嗤われたような気がして、
茉莉子の手に指を絡ませると、

「そうです。
デートなんで、オッサンは邪魔せんといてください」
と思わず口にする。


長谷川は、健太を無視して、
一歩近づき、
長い身体を折って茉莉子の耳元で、

「電話、いつでも大丈夫です。
待ってますよ」
と囁いた。


遠去かる2人の後ろ姿を見ながら、

手強い処も可愛いな

と、長谷川は呟いてから、新橋エリアにある行きつけの焼き鳥屋に向かった。
今夜は電話がくると確信していたので、
早々に店を後にして独りで住む部屋に戻った。
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