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100万本の赤い薔薇
第2章 初めてのデート
社長を見送った後もう一度店内に戻り、
女将に改めてお料理が美味しかったこと、
お客様が満足されてたことを伝えて、
自分用に湯葉と小振りの豆腐を求めて、タクシーをお願いした。
その時、
「奇遇だな」
と言う声が後ろから聞こえた。
ゆっくり振り返ると、
にこやかに立っていたのは、長谷川だった。
女将が大した驚きも見せずに、
「あら、長谷川様のお知り合いでしたか?」
と言いながら、中から呼ばれたのか会釈をして小走りに行ってしまった。
外から、
「お車が到着しました」
と呼ばれたので、
「お先に」
と言いながら立ち去ろうとすると、
長谷川は茉莉子の手首を軽く掴んで、
「電話番号の謎、知りたくない?」と引き留めた。
そして、そのままするりと手を繋ぐと一緒に歩き始める。
奥だと座りにくいだろうと、先に自分が奥に入るので、
渋々後から茉莉子もタクシーに乗り込んだ。
「どちらまで?」
と訊かれるが、自分の住まいや方向を口にするのを躊躇っていると、
「汐留のロイヤルパークホテル」
と流れるように言って、
「一杯だけ付き合ってくれる?」と茉莉子に言いながら、
大きな手で、茉莉子の右手をそっと包んだ。
振り解くのも大人気ないと思いそのまま窓の外を見ていたら、
携帯を取り出し、
「失礼」
と茉莉子に言ってから、電話を掛けた。
急用が出来たから先に帰ることと会計は済ませてあるからと早口で説明し、良い週末を!と一方的に英語で話して電話を切った。
続いて、
「ああ、長谷川です。
急で申し訳ないけど、2人で行くから、20分後に窓際の夜景の綺麗な席、宜しく」
と言って電話を切る。
店を予約したのだろう。
「お仕事、宜しかったんですか?」
と訊くと、
「茉莉子の方が重要だから。
あんな処で会えるなんて運命的だよね」
と、耳元で言うので、
「接待によく使いがちのお店ですもの。
別に運命的とは思いません」と、
やんわりと手を引き離しながら答えた。
女将に改めてお料理が美味しかったこと、
お客様が満足されてたことを伝えて、
自分用に湯葉と小振りの豆腐を求めて、タクシーをお願いした。
その時、
「奇遇だな」
と言う声が後ろから聞こえた。
ゆっくり振り返ると、
にこやかに立っていたのは、長谷川だった。
女将が大した驚きも見せずに、
「あら、長谷川様のお知り合いでしたか?」
と言いながら、中から呼ばれたのか会釈をして小走りに行ってしまった。
外から、
「お車が到着しました」
と呼ばれたので、
「お先に」
と言いながら立ち去ろうとすると、
長谷川は茉莉子の手首を軽く掴んで、
「電話番号の謎、知りたくない?」と引き留めた。
そして、そのままするりと手を繋ぐと一緒に歩き始める。
奥だと座りにくいだろうと、先に自分が奥に入るので、
渋々後から茉莉子もタクシーに乗り込んだ。
「どちらまで?」
と訊かれるが、自分の住まいや方向を口にするのを躊躇っていると、
「汐留のロイヤルパークホテル」
と流れるように言って、
「一杯だけ付き合ってくれる?」と茉莉子に言いながら、
大きな手で、茉莉子の右手をそっと包んだ。
振り解くのも大人気ないと思いそのまま窓の外を見ていたら、
携帯を取り出し、
「失礼」
と茉莉子に言ってから、電話を掛けた。
急用が出来たから先に帰ることと会計は済ませてあるからと早口で説明し、良い週末を!と一方的に英語で話して電話を切った。
続いて、
「ああ、長谷川です。
急で申し訳ないけど、2人で行くから、20分後に窓際の夜景の綺麗な席、宜しく」
と言って電話を切る。
店を予約したのだろう。
「お仕事、宜しかったんですか?」
と訊くと、
「茉莉子の方が重要だから。
あんな処で会えるなんて運命的だよね」
と、耳元で言うので、
「接待によく使いがちのお店ですもの。
別に運命的とは思いません」と、
やんわりと手を引き離しながら答えた。