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100万本の赤い薔薇
第2章 初めてのデート
「あの…手を離してください」
と、茉莉子は小さい声で言う。


「やだ」
と、子供みたいな顔で長谷川が言う。


「言ったでしょ。
初めて会った披露宴の時から気になってたんだ。
手ぐらい握っても良いでしょ。
減るわけでもないし」

と続ける。


「手を繋いでるとさ、
なんか落ち着かない?
俺だけかな?
握った手で会話してるような気になるんだ」


「そうやって、口説き回ってるんですか?」

と、茉莉子は言う。

「長谷川さん、モテそうだし」


「まあ、女に不自由はしたことないけど、
本当に好きな女は、なかなか居ないな」

と真面目な顔で言う。



「だからもっと茉莉子のことを知りたい」



「あの…飲み終わりましたから、
今日はこれでお開きです」

と、茉莉子はグラスを一気に飲み干すと、
長谷川の手を外して立ち上がった。

ぐらり。


急に立ち上がったせいか、世界が回ったような気がした。

長谷川が慌てて支える。



「あれ?
なんかクラクラします」


長谷川はもう一度茉莉子を座らせると、

「水を!」と声を掛けた。



暫くすると、茉莉子は落ち着き、

「失礼しました。帰ります」と言って再度立ち上がろうとしたので、

「車で送るよ。こんなに酔ったままでは心配で放っておけない」と言い、
長谷川は、チェックを!とスタッフに声を掛け、
茉莉子の荷物とバッグを持つと、
茉莉子に腕に掴まるように声を掛けバーを後にした。


茉莉子は素直に腕に掴まりながらゆっくり歩いた。


長いエレベーターに入ると、
長谷川は茉莉子を抱き締めて顔を上げさせると軽いキスをした。

茉莉子は、いやいやをしながら後退りして、

「歯磨きもしてないのにキスするなんて嫌です!」と生真面目な顔で言うので、
長谷川は思わず笑い出してしまう。


「えっと、歯磨きしたらキスしても良いの?
こんなに酔ってるならお持ち帰りしようかと思ってたんだけど?」とふざけた顔で言うので、


「着物は脱いだ後にお手入れしなくちゃいけないし
家でモカちゃんが待ってるので帰ります」
と言う。


これ、泥酔してるんだろうか?
モカちゃんって、犬?猫?


長谷川はますます可笑しくなった。
とにかくと、2人はタクシーに乗り込んだ。
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