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100万本の赤い薔薇
第3章 怖くて堪らない
部屋着の上にパーカーを羽織ってキャップを被った茉莉子は、
リードに繋いだモカを右手に、
左手にはトートバッグを持ち、
「では、お付き合いいただきますね!」と言った。
マンション内ではモカを抱き上げたので、
長谷川がトートバッグを持った。
ガッシリとしたエルメスのガーデンパーティーに、
散歩で使いそうなビニール袋や水などが無造作に入っていた。
外に出ると秋らしい爽やかな空気を感じた。
「リード、持ってみます?」
と言われたが、
リードを通じてモカに舐められそうな気がして、
首を横に振った。
モカはのんびり先導していく。
いつものコースなのか、気ままに歩いているのかも判らなかった。
「えっと、ちょっとお待ちいただけますか?」
茉莉子はリードを渡すとさっさと何かの店内に入ってしまう。
見上げると地方の県のアンテナショップだった。
モカは長谷川を見上げるが、
もう唸ったりはしなかったので、
しゃがんで手のひらをそっと向けてみると、
暫くくんくんと匂いを嗅ぐとペロペロと舐めた。
「あら、仲良くなったのね。
じゃあ、そのままリード、お願いしようかしら?」
と、茉莉子がニコニコしながら言った。
「モカちゃんに任せていれば良いのかな?」
と訊くと、
「はい。適当に歩きましょう。
途中で入りたいお店があったら立ち寄って、
モカちゃんがお家に向かったら帰る感じです」
「何、買ったの?」
「お野菜です。
本当はファーマーズマーケットに行くつもりだったけど、
出足が遅れちゃったから」
「これからだと遅いの?」
「この時間だと混み合ってしまうので」
人混みが苦手だということを思い出して、
「じゃあ、明日の朝、一番に行こうか?」
と訊くと、
「えっ?
長谷川さんが行っても楽しくないですよ」
と笑った。
「あ!ちょっとそこのスーパーに行きたいです。
また、モカちゃんと待っててくださいね」
茉莉子は小走りで店内に消える。
「おい、モカちゃん。
お前のご主人様は、
やっぱり笑っているのが一番良いよな」
と言うと、判っているのか、
ワン!!
と答えた。
ちょっと意気投合してきたようだ。
男は男同士だな。
そう思ったら笑えた。
リードに繋いだモカを右手に、
左手にはトートバッグを持ち、
「では、お付き合いいただきますね!」と言った。
マンション内ではモカを抱き上げたので、
長谷川がトートバッグを持った。
ガッシリとしたエルメスのガーデンパーティーに、
散歩で使いそうなビニール袋や水などが無造作に入っていた。
外に出ると秋らしい爽やかな空気を感じた。
「リード、持ってみます?」
と言われたが、
リードを通じてモカに舐められそうな気がして、
首を横に振った。
モカはのんびり先導していく。
いつものコースなのか、気ままに歩いているのかも判らなかった。
「えっと、ちょっとお待ちいただけますか?」
茉莉子はリードを渡すとさっさと何かの店内に入ってしまう。
見上げると地方の県のアンテナショップだった。
モカは長谷川を見上げるが、
もう唸ったりはしなかったので、
しゃがんで手のひらをそっと向けてみると、
暫くくんくんと匂いを嗅ぐとペロペロと舐めた。
「あら、仲良くなったのね。
じゃあ、そのままリード、お願いしようかしら?」
と、茉莉子がニコニコしながら言った。
「モカちゃんに任せていれば良いのかな?」
と訊くと、
「はい。適当に歩きましょう。
途中で入りたいお店があったら立ち寄って、
モカちゃんがお家に向かったら帰る感じです」
「何、買ったの?」
「お野菜です。
本当はファーマーズマーケットに行くつもりだったけど、
出足が遅れちゃったから」
「これからだと遅いの?」
「この時間だと混み合ってしまうので」
人混みが苦手だということを思い出して、
「じゃあ、明日の朝、一番に行こうか?」
と訊くと、
「えっ?
長谷川さんが行っても楽しくないですよ」
と笑った。
「あ!ちょっとそこのスーパーに行きたいです。
また、モカちゃんと待っててくださいね」
茉莉子は小走りで店内に消える。
「おい、モカちゃん。
お前のご主人様は、
やっぱり笑っているのが一番良いよな」
と言うと、判っているのか、
ワン!!
と答えた。
ちょっと意気投合してきたようだ。
男は男同士だな。
そう思ったら笑えた。