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100万本の赤い薔薇
第3章 怖くて堪らない
ようやく納得したのか、モカが家の方向に戻って行こうとした。

途中、水にこだわっているというパン屋に入り、
紙袋を2つ持って出てきた茉莉子は、

「おひとつ、朝食にでもどうぞ」と言うが、
長谷川は困った顔をしながら、

「実は、トースターがないんだ」
と笑った。


「ここのパン焼かなくても美味しいですよ」


「いや、食パンは断然、トースト派なんだ」
と長谷川はきっぱり言う。


「朝の7時過ぎで良ければ会社に行く前に焼いてお待ちしますよ」


「早起きなんだな」


「その前にモカちゃんのお散歩してますけどね。
もう少ししたら朝も暗くなるからお時間遅らせないといけないけど」


「暗い時間の散歩は心配だな」


「大丈夫よ。
モカちゃんが守ってくれるし、
私、武道の心得がありますから」


「えっ?そんなんだ。
そりゃ、押し倒すの大変そうだな。
おっと、イエローカード出されそうだな」


部屋に戻ると、
茉莉子は浴室にモカを連れて行き、
脚を洗ってふんわりとタオルで拭いた。
ついでに自分も、手を洗って顔も洗う。

覗き込んでた長谷川は、

「えっ?
化粧とか落ちないの?」
とびっくりした顔をするので、

「私、お化粧苦手だから、
ノーメイクなんです。
長谷川さんもお顔洗いますか?
さっぱりしますよ」
と、洗い立てのタオルを渡してにっこりした。


リビングのソファに長谷川は腰を降ろすと、
モカは一直線に長谷川に向かって走って行き
膝に飛び乗って身を乗り出して顔を舐め始めた。


「ごめんなさい。
大丈夫ですか?」


「ん。だいぶ慣れてきた。
でも、熱烈にキスするなら、
モカより茉莉子の方が良いんだけどな」と言いながら、
ついにはモカに押し倒されてしまう。


先にモカちゃんのお皿に水を入れてリビングの端に置き、

「モカちゃん、お水飲んで」と声を掛け、
そのままソファを通り越してベランダに出るとミントを摘んだ。

そしてキッチンで自家製のレモネードを作り
ミントを浮かべて長谷川に渡した。


「さっぱりして美味いな。
なんか朝からずっと、感動してるんだ。
何でも出てくるし、
何でも出来るんだな」

そう言いながら、長谷川は眠たそうな顔をしているのに気づいて、
「少し横になってたら?」
と声を掛けたが、

「嫌だ。せっかく一緒に居るのに勿体ない」と言った。
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