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100万本の赤い薔薇
第3章 怖くて堪らない
「もっと話を聞くかい?
嫌な気持ちになると思うよ。
俺のことも、軽蔑して嫌われそうだしな。
それにもう眠る時間だろう?
この先の話は、ベッドの中でになるよ」
と長谷川は言う。


「だったら…」
と、茉莉子は長谷川を寝室に引っ張って行った。


「あ。パジャマに着替えても良いですか?
着替えないと落ち着かなくて」
と言って、茉莉子は洗面所に引き返し、
パジャマに着替えてきた。

長谷川は少し遠慮しながら、
ベッドの右側に横たわった。
2人ともぼんやり上を向いて天井を見ながら、
長谷川は話の続きを始めた。


娘のことはとても大事に思っていたよ。
だから、仮面夫婦になっても、
季節のイベントやお受験、学校行事にもなるべく足を運んだ。
現地集合、現地解散だったけどね。

ある日、警察から電話が掛かってきた。
娘が交通事故にあったと言う連絡で、
病院に駆けつけた。
陽子には連絡がつかなかったと言われ、
あれこれ手続きをしたり、
手術の同意書を書いたりしていた。

ふと、娘が横たわっているベッドの名前のところを見たら、
娘の血液型がA型と書いてあるので、
輸血で間違えがあるといけないから、

「娘はO型です!」
と看護師に伝えた。

でも、即座に、
「念のため検査もしました。
確かにA型です!」
と言われて愕然とした。

俺も陽子もO型だから、
それはあり得ない話だった。

色々なピースがはまっていく感じがした。


その日かなり遅くなって陽子は病院に来た。
派手な服装と化粧を見て、
「まだあいつと会っているのか」と思った。


その日、久々に自宅に戻り、
物置になっているロフトに上がり、
披露宴の写真や名簿を確認して部屋に戻った。
あいつの名前と連絡先を確認する為だった。


翌日、電話をして本人と会った。
あっさり、陽子とは俺たちが結婚する前から付き合っていたこと。
自分が妻帯者で離婚する気はないこと。
仕事上、陽子との関係も公にする気もないこと。
いい加減に別れたいけど、陽子の方が別れてくれないなどと言った。

殴らなかったのは、陽子に対しての気持ちが既に全くなかったからに他ならない。

別れ際に、ところで…と、血液型を訊いた。

ニヤリと笑って、
「A型ですよ」と言われた。

あいつの目は、
「なんだ、今頃気がついたんですか」と言っているようだった。
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