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第3章 怖くて堪らない

ある日のこと。
睡眠薬に対する耐性がついたのか、
量の問題だったのか、
眠くはなったけど、意識はあった時があったの。


そしたら、広いベッドの私の隣で、
先生とお姉様が…

「今日は駄目よ。
さあ、茉莉子に挿れるのよ」
と途中でお姉様が動きを止めて、
私の横に座ると私の脚を大きく広げたの。
その時、太腿に爪で傷をつけられたわ。
きっと、私のことが憎かったのね。

先生は、私に挿入しながら、
お姉様の名前を呼んでいたわ。
そっと目を少し開いたら、
２人は激しくキスをしていたの。

姉弟でそんな…？

そう思ったら恐ろしくなって気を失ってしまった。



茉莉子が身震いするので、
長谷川は強く抱き締めた。

「酷い話だ。
そんなことをするなんて」


ここは悪魔の館だと思ったわ。
だから一刻も早く出なければと。

それで高校時代のボーイフレンドに相談したの。
法学部を出て弁護士事務所に勤めていたから詳しいと思って。

一通り話を聞いてくれて、
録音録画をする方法を教えてもらって、
眠らされている時に何が起きてるかの証拠を得ること。
それと、薬を飲まされていることを立証する為に、
グラスなどを確保することも必要だと言われたの。

冷静に録音と録画は出来たわ。
怖いから聴かなかったし、見なかったけど。
グラスも同じものを用意しておいて、
すり替えて持ち帰って、撮ったものと一緒にボーイフレンドに渡して成分の分析もして貰えた。

ボーイフレンドは、あり得ないスキャンダルだと言って、
離婚も慰謝料も親権も取れるぞと。
近親相姦。
茉莉子を妊娠させたのも、準強姦罪で刑事告訴出来る案件だな。
医師免許も剥奪で、
社会的にも抹殺されるなって。

でもね、
そのスキャンダルだけは、
どうしても表沙汰にしたくなかったの。

だって、息子が…
後からそれを知ってしまうことで、
どんな精神的なダメージを負うか。

万が一、マスコミなどに知られたら、
追い回されることにもなる。

自分が父親と母親の愛の結晶ではなくて、
跡継ぎが必要だからということで産まれてきたなんてことを知る辛さ。
その上、父親とその姉の特別な関係が明るみになるなんて！と思ったわ。

でも、いつか真実を知りたいと思うかもしれないことも考えたの。