この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
100万本の赤い薔薇
第4章 新たな関係と思惑
「ここが私の会社なの。
それでは気をつけて行ってらっしゃいませ」
と言って、建物に入って行った。

長谷川と結依は、お辞儀しながら、
「ありがとうございます」と声を揃えて言った。


駅でグリーン車のチケットを買い、
駅ナカのコーヒーショップでサンドイッチと飲み物を買って、
電車に乗り込んだ。


「茉莉子さん、すごく素敵な方ね!」
と、感心したような顔で結依が言った。

「うん。素敵だね」と、長谷川も言った。


「あ!そうだ。
これが部屋の鍵。
そして、エントランスに入る時の暗証番号は、
お父さんの名刺の裏に書いたからこれを持って」
と説明する。

「お弁当楽しみだな。
ちゃんとしたお弁当持っていくの、
初めてかもしれない。
いつも買ってたの。
恥ずかしいから誰にも見られないように、
音楽室とかで隠れて食べてたの」と言われて、
長谷川は泣きそうになった。

「うーん。
お父さん、お弁当作れるかな。
炊飯器もないしな」と言うと、

「茉莉子さんに教えて貰ったら作れるようになるかも!」と、
楽しそうに笑う。

「いやいや、そんなの迷惑だろうな。
弁当代渡して作って貰うか?」

「むしろ、それ、失礼って思われるかもよ」と、
少し大人びた顔で結依が言った。


一度乗り換えをして最寄駅まで行き、
結依とは別れた。
父親と歩いているところなんて、
学友に見られたくないだろうと思ったからだ。

駅から学校に電話をして、
担任の先生に、住所変更のことなどでお話しして手続きしたいと伝え、
ホームルームや授業がない時間を確認すると2時間以上空き時間が出来たので、
その足で役所に行き、離婚届を提出して、
正式に受理してもらった。

その後、手土産に洋菓子の詰め合わせを用意してから学校に向かった。

離婚したことも含めて、
自分の住まいの東京に引越ししたことを伝えた。

そして、学校のことや進級進学について何かあったら、
自分に連絡して欲しいということも伝えて、
念の為、名刺も添えて渡した。


これで、一応するべきことが終わった気がして、
すっきりした。
時計を見ると、昼だ。
結依は茉莉子の作った弁当を食べているのだろうと思うと、
不思議な気持ちがした。

茉莉子に電話をしたが、
仕事中で繋がらなかった。
留守電にもならない電話なので、
帰宅したら改めて礼を言おうと思った。
/245ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ