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100万本の赤い薔薇
第4章 新たな関係と思惑
学校で茉莉子から渡された弁当を見て、
結依は心の中で歓声を上げた。
丁寧に小風呂敷で包まれた曲げわっぱの弁当箱には、
彩り良く様々なおかずが宝石箱のように詰められていた。
すごい。
これ、誰かに見せたりする為じゃなくて、
自分用に作ってるお弁当だよね。
それなのに、とても綺麗!
お母さんがお弁当を作ってくれたことはほとんどなくて、
しかも、用意してくれる時も冷凍食品だらけだったから、
喉を通らなくてこっそり捨てたこともあったのを思い出した。
そして、茉莉子さんを見るお父さんの優しくて眩しそうな顔も思い浮かべた。
あれは、お父さん、惚れてるな。
でも、不思議と嫌な気持ちはしなかった。
寧ろ、心の中でいがみ合っているのを押し隠すようにお互いを無視していた関係もきっぱり終わったんだから、お父さんには幸せになって欲しいと思った。
だって…
ちゃんと聞いたわけじゃないけど、
多分お母さんは違う人との間に私を授かったのに、
お父さんと結婚したんだもん。
それなのに、お父さんはそんなお母さんに生活費をたくさん渡して、
大きい家を建てて、
私を高い私学に通わせてくれてた。
お母さんが、他の男の人と遊び歩いていることも知らないで、
忙しく働いてくれてた。
そして、本当の子供じゃないのに、
自分を引き取ってくれた。
そんなことを考えると、
涙が溢れてくる。
でも、これからは、
お父さんと一緒に、仲良く暮らせるんだと思って、
もっと良い子になるんだと考えていた。
その日は、また同じルートで遠くまで帰ることを考えて、
結依は学校のピアノで練習するのはやめて急いで帰宅することにした。
父親に渡された名刺の裏を見ながら、慎重にエントランスを開けて、
302号室まで戻った。
ハンガーに制服を掛けて部屋着になった。
そうだ!
お弁当箱を洗わなきゃ!と思ったけど、
キッチンにはスポンジも洗剤もなかった。
結依はお財布を片手に、
コンビニを探して歩いたが、
なかなか見つからない。
携帯も持ってないので、調べることも出来ない。
諦めて近くの百貨店に入り、
受付の人に売り場を訊いてスポンジと洗剤と布巾を買って帰宅して、
お弁当箱を洗ってから布巾で拭き上げてみた。
お手入れ方法が良く判らないから、
茉莉子さんに返す時に訊いてみようと思った。
結依は心の中で歓声を上げた。
丁寧に小風呂敷で包まれた曲げわっぱの弁当箱には、
彩り良く様々なおかずが宝石箱のように詰められていた。
すごい。
これ、誰かに見せたりする為じゃなくて、
自分用に作ってるお弁当だよね。
それなのに、とても綺麗!
お母さんがお弁当を作ってくれたことはほとんどなくて、
しかも、用意してくれる時も冷凍食品だらけだったから、
喉を通らなくてこっそり捨てたこともあったのを思い出した。
そして、茉莉子さんを見るお父さんの優しくて眩しそうな顔も思い浮かべた。
あれは、お父さん、惚れてるな。
でも、不思議と嫌な気持ちはしなかった。
寧ろ、心の中でいがみ合っているのを押し隠すようにお互いを無視していた関係もきっぱり終わったんだから、お父さんには幸せになって欲しいと思った。
だって…
ちゃんと聞いたわけじゃないけど、
多分お母さんは違う人との間に私を授かったのに、
お父さんと結婚したんだもん。
それなのに、お父さんはそんなお母さんに生活費をたくさん渡して、
大きい家を建てて、
私を高い私学に通わせてくれてた。
お母さんが、他の男の人と遊び歩いていることも知らないで、
忙しく働いてくれてた。
そして、本当の子供じゃないのに、
自分を引き取ってくれた。
そんなことを考えると、
涙が溢れてくる。
でも、これからは、
お父さんと一緒に、仲良く暮らせるんだと思って、
もっと良い子になるんだと考えていた。
その日は、また同じルートで遠くまで帰ることを考えて、
結依は学校のピアノで練習するのはやめて急いで帰宅することにした。
父親に渡された名刺の裏を見ながら、慎重にエントランスを開けて、
302号室まで戻った。
ハンガーに制服を掛けて部屋着になった。
そうだ!
お弁当箱を洗わなきゃ!と思ったけど、
キッチンにはスポンジも洗剤もなかった。
結依はお財布を片手に、
コンビニを探して歩いたが、
なかなか見つからない。
携帯も持ってないので、調べることも出来ない。
諦めて近くの百貨店に入り、
受付の人に売り場を訊いてスポンジと洗剤と布巾を買って帰宅して、
お弁当箱を洗ってから布巾で拭き上げてみた。
お手入れ方法が良く判らないから、
茉莉子さんに返す時に訊いてみようと思った。