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100万本の赤い薔薇
第1章 いつも見てた
「まこちゃん、コーヒー飲んでく?」

少しフラつきながら、エントランスで茉莉子が尋ねる。


「こんな時間に男を部屋に上げるなんて、襲われるぞ」

真人は少し真剣な顔をする。



「だって、まこちゃんだよ? 平気でしょ?」



「あー! お前、酔っ払ってるだろ? 帰るよ」



「やだ。 コーヒー飲んでからでいいじゃん」



「はいはい。 じゃあ、絶対襲うからな」


そんなことを言いながらエレベーターに乗り込む。


部屋に入ると、モカが真人に向かって少し牙を剥く。



「適当に座ってて」
と言いながら、茉莉子はキッチンに入り、
水切りした薔薇をバカラの一輪挿しに無造作に入れる。


「ごめん。前はちゃんとコーヒー淹れてたけど、
今はネスプレッソのマシーンなの」
と言いながら、そっとカップをローテーブルに置いた。


ソファに座った真人は、
半分寝かかっている。

早朝から接待ゴルフして、
この時間なわけだから、眠気のピークなのだろう。


エスプレッソを一気に飲み干すと、

「帰るわ」
と言って立ち上がろうとしてフラつく真人を、
慌てて支えようとした茉莉子だったが、
そのまま、2人はソファに倒れ込む。


「あ…」

そのまま、唇が重なる。

茉莉子の柔らかい唇の感触を味わいながら、
真人は瞳を閉じて、
ラップワンピース越しに背中をそっと抱き寄せる。

視覚を閉ざした方が、
他の感覚が研ぎ澄まされて、
より茉莉子を感じることが出来るような気がする。

呼吸しようと喘ぐように唇が開いたので、
更に舌を滑り込ませる。


いつしても、
そして何度しても、
茉莉子のキスは甘くて蕩けるようで、
真人の頭の中の理性が麻痺してくる。


ラップワンピースの胸元から手を捻じ込ませると、
驚くほど柔らかい胸の感触に、我を忘れてしまいそうになる。


そっと目を開いてみると、
茉莉子は静かに涙を流している。

小刻みに身体も震えている。


「ごめん」

真人は慌ててそう言って、
茉莉子を抱き締め直した。

まるで、父親が娘を抱き締めるように、
大きく、優しく、背中を撫ぜて、
髪も優しく撫ぜて。



結婚生活で、あんな嫌な目に遭ったんだから、
俺だけは茉莉子に優しくしてあげるんだ。
そう思ってるのに、まったく、男ってやつは。

真人は反省していた。
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