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100万本の赤い薔薇
第4章 新たな関係と思惑
土鍋で炊いた炊き立てのご飯に結依は心の底から驚いた。

「なんか、違うお米なんですか?」と、思わず口にした。

「炊飯器で炊くより美味しくなる気がするわね」

おかずも、どれも丁寧に作られているのが伝わってくる味だった。



食後に焙じ茶を出した貰い、両手で厚手の湯呑みを持ちながら息を吹きかける結依を見て、

「私と同じ、猫舌ね」と言われて、
茉莉子と同じ処があることが嬉しく感じた。


その時、茉莉子の携帯が鳴った。

「帰宅したら結依が居なくて。どうしよう?」
と焦って早口になっている。
いつも落ち着いた喋り方をする長谷川にしては珍しいことだった。


「ああ、ごめんなさい。
楽しくてご連絡するのを忘れていましたわ。
結依ちゃん、私のお部屋に来てますよ」

「良かった!迎えに行きます」
と長谷川は慌てて電話を切った。


「お父様、大慌てだったわ。
ピアノ聴いてたりしたから、
すっかり連絡するのを忘れてしまって」
と、鈴のような声で茉莉子は笑った。


程なく、長谷川が茉莉子の部屋にやって来た。


「夜分に申し訳ないです」
という長谷川に、

「良かったらお夜食、召し上がりますか?」
と声を掛けて、
お茶漬けの準備をしてダイニングテーブルに出した。

接待で呑んで帰ってきた長谷川にとっては、
至福の夜食だ。


結依はトイプードルのモカと遊んでいる。


「あのね、長谷川さん」
と、茉莉子が改まった口調でいう。


「長谷川さんも私も、
何かあったら電話しなさいと携帯番号を知らせたけどね、
結依ちゃん、携帯電話を持ってないから、
私たちからは掛けれないし、
結依ちゃんだって、今時公衆電話を探すのも大変だから、
連絡のしようが無いの。
だから、今日も直接、お部屋まで来てくれたのよ」

「あっ」
長谷川は愕然とした。


「長谷川さんの教育方針や校則の関係で携帯電話を持てないなら、
せめて家に固定電話か、持ち出さない約束で携帯電話を置かないと、
必要な時に連絡出来ないわ。
長谷川さんだって、帰るコール出来ないし、
何時に帰るのかも判らない状況で結依ちゃんを独りで待たせるなんて
良くないと思います」

茉莉子に言われて、長谷川は小さくなった。
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