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100万本の赤い薔薇
第4章 新たな関係と思惑
長谷川の部屋に戻ると、結依はうっとりして呟いた。
「茉莉子さん、素敵。
完璧だよ。
お父さんもそう思わない?」
「そうだな」
と言いながら、パソコンに向かっている。
「あんなに可愛いんだから、
油断すると誰かに取られちゃうからね!」
と、更に畳み掛けるように言う。
「そうだな」
「お父さんは、茉莉子さんと結婚したくないの?」
「そうだな」
「あー!
私の話、聞いてないでしょー!」
「そうだ…えっ?なに?」
と言うので、
結依は頬を膨らませて、
「良いもん。
私がキューピットになるんだから」
「そうだな」
うん。
やっぱり聞いてない。
仕事モードの時はダメだ。
でも、絶対にお父さんは茉莉子さんのことが好きだと思うから、
私、頑張る。
結依はそんなことを考えながら眠った。
翌朝は、結依だけが1人で家を出た。
茉莉子がエントランスで待ってくれてて、
お弁当箱の入ったミニトートを渡してくれた。
駅から方向に並んで歩き始めた。
「お父様は?」
「昨日遅くまでパソコンに向かって仕事してたから、
起きれないみたいでした。
寝袋に包まって寝てます」
「寝袋で寝てるの?」と目を丸くして、
クスクス笑った。
「学校からは何時ごろ帰宅してるの?」
「5時半位です」
「その時間だと、私はまだ仕事かも。
私居なくてもお部屋に入ってピアノ弾いてて構わないわよ。
あと、冷蔵庫にオヤツ入ってるからピアノ弾く前に食べると良いわ。
飲み物も冷蔵庫の中に冷たいお茶があって…
コーヒーマシンのやり方は、
今夜レクチャーするわね」と言ってくれた。
茉莉子さんと話しているとあっという間に会社の前についてしまった。
「痴漢とか怖いから、
グリーン車で座って行ってね。
気をつけて!」
と言って、前日と同じ処で別れた。
こうして、結依は長距離通学にはなったものの、
茉莉子と少しずつ親しくなり、
毎日のように茉莉子の部屋で過ごすようになった。
火曜日には宅急便の荷物が届いたけど、
学校のものだけ、取り敢えず引っ張り出して、
箱は積んでおいた。
平日の長谷川は本当に忙しいらしく、
結依は父親よりむしろ茉莉子と一緒に居ることの方が多かった。
茉莉子も会食というやつで遅い夜もあったが、
そんな夜も冷蔵庫の中に温めて食べれる食事が用意されていた。
「茉莉子さん、素敵。
完璧だよ。
お父さんもそう思わない?」
「そうだな」
と言いながら、パソコンに向かっている。
「あんなに可愛いんだから、
油断すると誰かに取られちゃうからね!」
と、更に畳み掛けるように言う。
「そうだな」
「お父さんは、茉莉子さんと結婚したくないの?」
「そうだな」
「あー!
私の話、聞いてないでしょー!」
「そうだ…えっ?なに?」
と言うので、
結依は頬を膨らませて、
「良いもん。
私がキューピットになるんだから」
「そうだな」
うん。
やっぱり聞いてない。
仕事モードの時はダメだ。
でも、絶対にお父さんは茉莉子さんのことが好きだと思うから、
私、頑張る。
結依はそんなことを考えながら眠った。
翌朝は、結依だけが1人で家を出た。
茉莉子がエントランスで待ってくれてて、
お弁当箱の入ったミニトートを渡してくれた。
駅から方向に並んで歩き始めた。
「お父様は?」
「昨日遅くまでパソコンに向かって仕事してたから、
起きれないみたいでした。
寝袋に包まって寝てます」
「寝袋で寝てるの?」と目を丸くして、
クスクス笑った。
「学校からは何時ごろ帰宅してるの?」
「5時半位です」
「その時間だと、私はまだ仕事かも。
私居なくてもお部屋に入ってピアノ弾いてて構わないわよ。
あと、冷蔵庫にオヤツ入ってるからピアノ弾く前に食べると良いわ。
飲み物も冷蔵庫の中に冷たいお茶があって…
コーヒーマシンのやり方は、
今夜レクチャーするわね」と言ってくれた。
茉莉子さんと話しているとあっという間に会社の前についてしまった。
「痴漢とか怖いから、
グリーン車で座って行ってね。
気をつけて!」
と言って、前日と同じ処で別れた。
こうして、結依は長距離通学にはなったものの、
茉莉子と少しずつ親しくなり、
毎日のように茉莉子の部屋で過ごすようになった。
火曜日には宅急便の荷物が届いたけど、
学校のものだけ、取り敢えず引っ張り出して、
箱は積んでおいた。
平日の長谷川は本当に忙しいらしく、
結依は父親よりむしろ茉莉子と一緒に居ることの方が多かった。
茉莉子も会食というやつで遅い夜もあったが、
そんな夜も冷蔵庫の中に温めて食べれる食事が用意されていた。