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100万本の赤い薔薇
第4章 新たな関係と思惑
「茉莉子さんのお願いなら、何でも言ってください」
と言うと、
茉莉子は再び寝室に引き返して小さい紙袋を手に戻り、結依に渡した。


明日のコンクールの参加者に、
これをそっと渡して欲しいの。
山川茉莉子から預かったと言って、目立たないようにお願い。
名前は…。


その名前は知っていた。
1学年下で、よくコンクールで一緒になる子だった。
女子校育ちで男子と話すのが苦手な結依は、
勿論話をしたことはなかった。

結依は直感的にその男子がさっき見た写真の子供だと思ったが、
そう思うと部屋に入って写真を見たことを言い難くなってしまった。


「変なことを頼んでごめんなさい。
さて、モカちゃんのお散歩に行くわね。
結依ちゃんはどうする?」
と茉莉子が言ったので、

「私も行きます!」と言って、
リードを取りに行った。

2人でのんびり歩いていたら、
遠くで手を振る大きなシルエットが見えた。

長谷川がちょうど帰って来たところだった。

3人で散歩を続けながら、
コンビニの場所やちょっとした食品を扱う店の場所を結依に教えた。


「コンクール終わったら、
結依の部屋を整えないとな。
荷物もまだ出してないし」と長谷川が言うので、

「お手伝いしますよ」と茉莉子が言った。

「何しろ、俺のベッドで寝させて、
俺はシュラフだからな」と笑いながら言う。

「家具とかはどうされますか?」
と訊くと、

「結依の好みもあるだろうから、
結依が選ぶと良いよ」と長谷川は言った。

「配送、すぐにしてくれるお店が良いかしらね?」


結依は、2人の会話を黙って聞きながら、
さっき聞いた男子の名前を頭の中で繰り返していた。


「結依ちゃんはどんなお部屋が良いのかしら?
ローラアシュレイみたいなフリルやお花の模様?
ラルフローレンみたいな感じ?
ソレイアードとかも良いかしら?
インテリア雑誌みながら決めるのも楽しそう」
と茉莉子がニコニコしながら言うので、
慌てて結依は、
「無印良品みたいなやつがいい」
と言ったら、茉莉子が楽しそうに笑った。

「まあ、今時の若い子は、
シンプルなのが好きなのね!」

「でも、茉莉子さんのお部屋もシンプルですよね。
あんなシンプルでシックなお部屋が良いな」


そんな様子を遠くから健太が見ていたことを、
茉莉子は気づかなかった。
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