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甘い復讐
第3章 始まり
「そんなバカな…。」

この男に何を言っても無駄なのだろうか。
涙が溢れそうになるのを、必死に堪えて、アルバートを睨み付ける。

悔しい。
身体に力が入らない。
逃げることも闘うことも出来ない。

サラは、なんとか身体を起こそうと試みるも、指先ひとつ動かず、自分の意思では僅かに首を動かすことが出来るだけだった。


「銀の剣で刺された時から、お前の運命は決まっている。それが身体に刺さって体内にあるうちは、力は入らないし、剣と接している部分は再生しないんだろ。
そう、お前は身体を動かすことも出来ず、吸血鬼の力で傷を治すことも出来ない。」

と、アルバートが冷ややかに言い放つ。


「あ、貴方の妹を殺した吸血鬼は見つかったの?
もし、見つけてないのなら、私が探して貴方のところに連れて行くわ。
そして、私達は貴方の領地から出ていく。
お願い。助けて。」


「命乞いか?
俺の妹も生きたかったんだ。
でも、殺された。
そして、残念だが、貴様だけはどんなに命乞いしても、生きて帰ることは無いだろう。
妹を殺した吸血鬼は、知っている。
お前の父親だ。

心当たりがあるだろ?
お前の父親は、獣の血で生きることを拒否して、今でも人の血をすすっている。」


あぁ、そう言うことか…
父の人の血を飲むという行為は、母を不幸にして、この男の妹とこの男までも不幸にしていたのか…。

サラは、この時程、自分の血を憎んだことは無かった。
なんでこんな種族が、この世に存在するのだろう…
どうして私は、人間に生まれなかったのだろ…

悔しくて悲しくて、堪えていた涙がとうとう溢れ、頬を伝う。


「…ち、父は確かに人の血を吸っている。でも、もうずっと村には帰ってこないし、会ったこともない…。

他の皆はどうなったの?無事なの?
それなら、私だけを殺せば良いでしょ。
お願い。他のみんなは助けてあげて。」


「ほう。自己犠牲か。
残念だが、さっきも言っただろ。
俺の復讐は、全ての吸血鬼を滅ぼすまで終わらない。
さぁ、時間だ。長く話しすぎた。
これから、貴様の公開処刑をはじめる。
楽に死ねると思うなよ。」

そう言うと、アルバートは部屋に控える数人の男達に、何やら指示を出し、それが終わると、

「最高の苦しみを味合わせてやる。」

と言い、暗く冷たい笑みを浮かべた。
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