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甘い復讐
第3章 始まり
…。


…。




身体が動かない。


ここはどこ?


どうして?


私、死んだの?







「んっ…んん…」

サラはうっすらと目を開けた。


どれぐらいの時間がたったのだろうか?

仲間は無事なのか?



「こ、ここは?」

頭がボーッとする。

すぐに事態が飲み込めない。



ボヤける視界のピントが、徐々に合ってくる。

薄暗い部屋。
漆喰だけの粗末な壁。
天井はむき出しの板だ。

「あ゛…あっあっ!!!」

意識がはっきり戻ってくると同時に、腹部の強烈な痛みに、サラの身体がビクッ!ビクッ!と痙攣する。

痛みのある方に目をやると、30㎝はある剣が、自分の臍の上辺りに、深々と突き刺さっているのが見えた。


サラは、全裸にされて大きな椅子に身体を預けていた。
背もたれは深く倒されている。
そして、椅子座面の両端には、上向きに棒が取り付けられており、その上には地面平行に板が取り付けいた。
サラの両足はそこ乗られて、バンドでしっかりと固定されていた。

大きく脚を開かされ、恥ずかしい部分が丸見えになってしまっている。



「な、なに…?」

自分が置かれている状態に困惑し、ようやくサラの意識ははっきりしてきた。


サラのすぐ隣には、アルバートが立っていた。
そして、その他、部屋の隅には、数人の男達がいる。



「こ、これはいったい?私をどうするつもりなの?!!みんなはどこ??」

「今までよくも騙してきたな。貴様らは吸血鬼なんだろ。」

「違う…。
と言いたいところだけど…無理そうね。
現にお腹を刺されたのに死んでないですものね。
でも、私は今まで人の血なんて飲んだこと無いし、殺したことも無いわ。
ただ、物を売りに来ていただけよ。」

「ふん。だからどうした?関係ない。
現に俺の妹は貴様らに、血を吸い尽くされて死んだんだ。」

「だ、誰がそんなことを…。
…確かに、一部の吸血鬼は人の血を飲み、人を殺している。
でも、私達の村の吸血鬼は、誰一人血を飲んでいないし、人も殺してない!
私達は、随分前から、動物の血を糧にして生きているのよ。」

「そうか。だが、そんなことは、俺にとってはどうでも良い。貴様ら吸血鬼という種族を、この地上から抹殺し、復讐する。ただ、それだけのことだ。」
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