この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
また桜は散り過ぎて
第5章 常連の仲間入り
えっ?と驚きの目を小西さんに向けた。
あまりに唐突なことで、返答が完全に喉の奥で塞がれてしまった。
「ごめんなさい、急にそんなこと言われてもって、驚きますよね。
夕飯にちょうどいい時間だし、
それにさっきのお客さんが帰られてあなた一人だし、私のおごりということで。
いかがですか?」
「い、いいんですか?」
「ええ、是非食べてください。もう看板ひっこめますから、私も夕飯一緒させてください」
予想外の展開に、驚きと嬉しさと、そして驚きとで頭の中は収拾がつかない。
けど、こんなシチュエーションそうそうあるわけないんだから、
と自分自身に落ち着くように、
そして楽しむよう言い聞かせるつもりで大きく深呼吸をした。
その間に小西さんは、外にある置き看板を中に入れ、外灯を消し、
閉店の掛札をもってもう一度外に出た。戻ってきた時のドアのベルの音は、
いつもよりも数倍弾んで聞こえた。
「すぐ作りますからね。あ、そうだ、ケーキは食後でいいですよね?」
小西さんは冷蔵庫を何度か開け閉めし、包丁の音を奏で、そして極めつけの
ジューっとフライパンの中で具材が炒められる音を店内に響かせた。
あまりに唐突なことで、返答が完全に喉の奥で塞がれてしまった。
「ごめんなさい、急にそんなこと言われてもって、驚きますよね。
夕飯にちょうどいい時間だし、
それにさっきのお客さんが帰られてあなた一人だし、私のおごりということで。
いかがですか?」
「い、いいんですか?」
「ええ、是非食べてください。もう看板ひっこめますから、私も夕飯一緒させてください」
予想外の展開に、驚きと嬉しさと、そして驚きとで頭の中は収拾がつかない。
けど、こんなシチュエーションそうそうあるわけないんだから、
と自分自身に落ち着くように、
そして楽しむよう言い聞かせるつもりで大きく深呼吸をした。
その間に小西さんは、外にある置き看板を中に入れ、外灯を消し、
閉店の掛札をもってもう一度外に出た。戻ってきた時のドアのベルの音は、
いつもよりも数倍弾んで聞こえた。
「すぐ作りますからね。あ、そうだ、ケーキは食後でいいですよね?」
小西さんは冷蔵庫を何度か開け閉めし、包丁の音を奏で、そして極めつけの
ジューっとフライパンの中で具材が炒められる音を店内に響かせた。