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また桜は散り過ぎて
第6章 さくらバーで惑わされ
 多分全く正反対な二人の男。
省吾さんは女の腕をつかんでぐっと引き寄せ唇を奪う、そんな想像をしたくなるタイプ。
方や小西さんは、女の心の動きを黙って受け止めてくれそうなタイプ。
静と動。一見すると選びやすそうに思えるがそうでもない。
私にはどちらのタイプの男が似合うのか、落ち着けるのか。

「ちょっと晴海ちゃん、マジであやしんでない?なんか信用ガタ落ちになっちゃった?俺。
 ごめんよ、ヘンな事言って。お詫びに今度デートに誘うから、許して、ね?」
「そういう態度があやしさ疑惑を呼ぶんです!話半分以下で聞いておきますので、
 まずはビールを早くお願いできますか!」
そうでした!と両手をパタパタさせながらおどけてみせる省吾さん。
ほんとはどうなの?それより、私は省吾さんが好きなの?
それとも小西さんのことも好きになり始めたの?
 女心はわかんないんだよぉ!と声を絞り出したカウンターの3人組。
目が合った一人に笑みを返しながら、さりげなく肯いた。ほんと、わかんないねって。




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