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また桜は散り過ぎて
第9章 さくらバーで知った、今と過去
それぞれが、その後の行方を知らずにいて、
その人たちの間に偶然居合わせたのが私だとしたら・・
 ああ、考えると頭がモヤモヤする。
それだけじゃない。知りたい。
もしそんな偶然の繋がりから再会へと続くなら。

 私は決心した。確かめてみよう、と。
小西さん、省吾さん、それぞれの過去とプライベートに踏み込むことになるが、
確かめられずにはいられない。
 でも、ちょっと待って。
もしも彼らに繋がりがあると判ったら、
私はその二人に小さいとは言え好意を寄せている事実を、
どう整理をつければいいのだろう。
異性として好意を持っている省吾さんと、
次第に魅かれる気持ちが膨らんでいく小西さんに、
どう自分の気持ちを切り替えればいいのだろう・・・


 突然、バラバラと屋根をはじく音がし始めた。
カーテンを開けてみると、粒の大きな雨が地面に跳ねている。
急に降ってきた雨は見る見るうちに庭を濡らし、木の葉を揺さぶる。
それはまるで、私の心も一緒に、湿らせ揺らし惑わしているかのようだった。





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