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また桜は散り過ぎて
第9章 さくらバーで知った、今と過去

 アパートに帰って来て、電気をつけて明るくなった部屋を見て
ようやく頭の中が現実に戻った。
 柴崎さんの話を聞いた後、お酒の酔いを感じるどころか
誰を相手に何をしゃべったのかもはっきりしないくらい、意識は違う方向へと飛んでいた。
ほんとうは、すぐにでも帰りたかったのだが、
頼んでしまったモヒートを飲まないわけにもいかない。
柴崎さんが自分の席へ戻るとそれに入れ替わるようにして別の客が入って来て
省吾さんと私に声をかけた。
挨拶をして、体調の良しあしの会話だったと思う。
その間にモヒートを飲み干して私は席を立った。
もう帰るのかと少し顔を曇らせた省吾さんを、かすかに覚えている。最後に、
「また来るからね」と大げさに明るく振舞ったことだけは、はっきりと覚えている。

 ベッドにたどり着く前、部屋の真ん中あたりで力尽きて、床にドスンと腰を下ろす。
 省吾さんも子供時代に両親の離婚を経験していた。彼の方は母親に連れられて行った。
そこまでなら、偶然ってすごいな、で済ませることもできたかもしれない。でも・・
省吾さんにはその時別れ別れになったお兄さんがいた。
これって偶然なの?もしかしたらこの二つのピースはぴったりと合わさって、
一つの家族という絵になるのではないか。


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