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また桜は散り過ぎて
第12章 喜びは戸惑いへ

 一カ月ぶりにやって来たさくらバーは、すっかりクリスマス仕様になっていた。
12月になるとすぐに飾りつけるんだと、
赤いサンタ帽をかぶった省吾さんが自慢気に両手を広げる。
「どう?気分はすっかりクリスマスでしょ?今年もあと1カ月で終わるんだもん、
 ラストスパートかけて全力で今年を楽しみきらなきゃって、
 そういう信念があんのよ、俺は」
なるほど、と、よくわからない信念に一応の同調を表しながらカウンター席に座った。
「なんか・・省吾さんていつも楽しそうで、いいよね」
「でしょ?そりゃそうよ、人生は楽しくないと。
 何が起こるかわからない毎日を過ごしてるんだからさ、悔いの残らないように。
 晴海ちゃんも、そうだよ。自分の思った通りに生きないと。
 だから、クリスマスに店でパーティーやるから来てよ、ね、来れるよね?」
思わず口を真一文字に結び、返事を躊躇った。
 今年のクリスマスは土曜日。仕事帰りではなくても休日だから来ることはできる。
けど、クリスマスは喫茶・桜葉で過ごすと決めている。先に決めている。
だから、ここには来られない。クリスマスに省吾さんと一緒というのは、ないのだ。

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