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また桜は散り過ぎて
第1章 変化は出会いへ繋がる
聞いて、正直助かった、と思った。彼が会社を辞めてくれて心の底から安心できた。
だって、彼と顔を合わせることは確実にないとわかったから。
担当が変わってとか、こちらが出向いていったときにバッタリといったこともありえない。
悲しく不幸な出来事だったけど、せめてもの救いだと思う事にした。
30を超えたばかりで失恋。ビルに囲まれた閉塞感と心の壁がただれた様な失望感。
このままでは体中の水分が干からびてしまいそうで、
それじゃいけないと環境を変えることにした。仕事は変えられないからせめて、
住む町を変えようと、新天地を探すことにした。
どこでもいい。緑が多くあって、人々の生活が感じられる町。
そうだな。新宿を挟んで西側あたりなんてどうだろう。23区じゃなくて市とか。
休みの日に新宿駅からふらりとJRの中央線に乗ってみた。
どこまで行こうか特に考えてはいなかった。
最高で30分くらいの乗車時間でどこまでいけるか、
そんな漠然とした考えだけを抱き、流れゆく車窓に目を向けた。
しだいに変わりゆく風景。そこに、緑の塊を見つけた。公園みたいだ。
ちょっと行ってみようかと腰を浮かすと、アナウンスが流れてきた。
まもなく駅か。よし降りてみよう。
自然と体が動いた。そして電車が止まると軽い足取りでホームに降り立った。
そこがこの町、東小金井だったというわけだ。
そして不動産屋で紹介された、大家さんの家の広々とした敷地の中に立つアパートを、
新たな居としてから一年近い日が過ぎた。
だって、彼と顔を合わせることは確実にないとわかったから。
担当が変わってとか、こちらが出向いていったときにバッタリといったこともありえない。
悲しく不幸な出来事だったけど、せめてもの救いだと思う事にした。
30を超えたばかりで失恋。ビルに囲まれた閉塞感と心の壁がただれた様な失望感。
このままでは体中の水分が干からびてしまいそうで、
それじゃいけないと環境を変えることにした。仕事は変えられないからせめて、
住む町を変えようと、新天地を探すことにした。
どこでもいい。緑が多くあって、人々の生活が感じられる町。
そうだな。新宿を挟んで西側あたりなんてどうだろう。23区じゃなくて市とか。
休みの日に新宿駅からふらりとJRの中央線に乗ってみた。
どこまで行こうか特に考えてはいなかった。
最高で30分くらいの乗車時間でどこまでいけるか、
そんな漠然とした考えだけを抱き、流れゆく車窓に目を向けた。
しだいに変わりゆく風景。そこに、緑の塊を見つけた。公園みたいだ。
ちょっと行ってみようかと腰を浮かすと、アナウンスが流れてきた。
まもなく駅か。よし降りてみよう。
自然と体が動いた。そして電車が止まると軽い足取りでホームに降り立った。
そこがこの町、東小金井だったというわけだ。
そして不動産屋で紹介された、大家さんの家の広々とした敷地の中に立つアパートを、
新たな居としてから一年近い日が過ぎた。