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第1章 変化は出会いへ繋がる

　それから少しして、彼が別の女とも付き合っているという話が耳に入ってきた。
そして私も実際に、目撃した。彼が女と歩いているところを。
私とは正反対な派手な服装の、きらびやかな女だった。
銀座の大通りなのに、人がいっぱい歩いているのに、
彼らの姿はまるで私のために切り取られたかのように視界に飛び込んできた。
　その時、なにかに突き動かされるようにスマホを取り出しメッセージを送った。
その人の方があなたに似合ってるね、と。ご丁寧にこんばんはと挨拶まで添えて。
　彼がすぐにスマホを見たかどうか、そこまで確認しないで私は人込みの中を走り出した。
もちろん彼らが進む方向とは逆方向に。
　返信は、こなかった。ぱたりと連絡が途絶えた。
そして彼は会社を辞めて社長令嬢であるあのきらびやかな女と結婚したと、
合コンを主催した担当者から聞かされた。
その人は、私たちが付き合っていたことをまるで知らなかったらしく、
羨ましさと皮肉を織り交ぜながらひょうひょうと事実を語り上げていた。