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水曜日の恋人
第12章 マダムへの道
翌日、酒井さんの車で出掛けることになった。
ターミナル駅の百貨店の駐車場に車を停めると、
「転んだりするといけないから」と腕を組んでくれて、
向かった先は、百貨店の中に入っているフランスが本店の宝飾店だった。
「酒井様、いらっしゃいませ。
ご連絡いただきましたら、あれこれご用意致しましたのに…」と、
顔見知りらしいスタッフが微笑みながら近付いてくる。
「再婚するんだ。亡くなった妻の遺言でもあってね。
彼女に婚約指輪と結婚指輪を選びたいから」と言うと、
奥の席に通される。
並べられた指輪の中から、
好きなものを選んでと言われたけど、
私は選べずにいた。
「オーソドックスなものも良いけど、
何か個性的なものはあるかな?」
と酒井さんが言うと、
また、いくつか出してくれた。
私は…
マダムが選ぶとしたらどれかしら?と思いながら、
ひとつ、手に取ってみた。
「うん。
これは素敵だな。
香織にとても似合うよ」
そして、
「結婚指輪は僕が選んでも良いかな?
あんまり目立たないやつが良いな。
気恥ずかしいからさ」と言って、
シンプルな指輪を自分用には選んで、
私には同じデザインで一周ダイヤモンドで覆われているものを選んだ。
「あの…酒井さんの指輪は、
わたくしにお支払いさせてくださいね?」と言うと、
耳元で、
「なんだか、妻のような言い方だな?」と言って、
笑った。
その後、車で見晴らしの良いホテルの高層階の個室でランチをと移動した。
部屋に入ると、
スタッフの方が真紅の薔薇の花束を持ってきて、
酒井さんに渡して部屋から出ると、
酒井さんは跪いて薔薇を渡して、
指輪のケースを開きながら出すと、
「香織さん、結婚してください」と言った。
「勿論よ?嬉しい!!」と言うと、
酒井さんは個性的な指輪を私に嵌めてくれた。
パンテールがモチーフの指輪には、
細かい貴石が煌めいている。
目が妖しく光るのも素敵だ。
「こんなに個性的な指輪を選ぶ香織は、
本当に素敵だよ」と、
手の甲にキスをしてくれる。
のんびりと景色を見ながら食事をした。
そして、何度も指の上で煌めく指輪を眺めた。
そして、その帰りに役所に立ち寄り、
婚姻届を提出した。
「子供が出来たから入籍したなんて思われたくないから、
先に出させてね」と酒井さんは照れ笑いした。
ターミナル駅の百貨店の駐車場に車を停めると、
「転んだりするといけないから」と腕を組んでくれて、
向かった先は、百貨店の中に入っているフランスが本店の宝飾店だった。
「酒井様、いらっしゃいませ。
ご連絡いただきましたら、あれこれご用意致しましたのに…」と、
顔見知りらしいスタッフが微笑みながら近付いてくる。
「再婚するんだ。亡くなった妻の遺言でもあってね。
彼女に婚約指輪と結婚指輪を選びたいから」と言うと、
奥の席に通される。
並べられた指輪の中から、
好きなものを選んでと言われたけど、
私は選べずにいた。
「オーソドックスなものも良いけど、
何か個性的なものはあるかな?」
と酒井さんが言うと、
また、いくつか出してくれた。
私は…
マダムが選ぶとしたらどれかしら?と思いながら、
ひとつ、手に取ってみた。
「うん。
これは素敵だな。
香織にとても似合うよ」
そして、
「結婚指輪は僕が選んでも良いかな?
あんまり目立たないやつが良いな。
気恥ずかしいからさ」と言って、
シンプルな指輪を自分用には選んで、
私には同じデザインで一周ダイヤモンドで覆われているものを選んだ。
「あの…酒井さんの指輪は、
わたくしにお支払いさせてくださいね?」と言うと、
耳元で、
「なんだか、妻のような言い方だな?」と言って、
笑った。
その後、車で見晴らしの良いホテルの高層階の個室でランチをと移動した。
部屋に入ると、
スタッフの方が真紅の薔薇の花束を持ってきて、
酒井さんに渡して部屋から出ると、
酒井さんは跪いて薔薇を渡して、
指輪のケースを開きながら出すと、
「香織さん、結婚してください」と言った。
「勿論よ?嬉しい!!」と言うと、
酒井さんは個性的な指輪を私に嵌めてくれた。
パンテールがモチーフの指輪には、
細かい貴石が煌めいている。
目が妖しく光るのも素敵だ。
「こんなに個性的な指輪を選ぶ香織は、
本当に素敵だよ」と、
手の甲にキスをしてくれる。
のんびりと景色を見ながら食事をした。
そして、何度も指の上で煌めく指輪を眺めた。
そして、その帰りに役所に立ち寄り、
婚姻届を提出した。
「子供が出来たから入籍したなんて思われたくないから、
先に出させてね」と酒井さんは照れ笑いした。

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