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水曜日の恋人
第8章 自分でする
「善は急げというから」とマダムに言われて、
花屋に戻ると、
「皆様にご迷惑をお掛けするだけなので、退職します」と伝えた。
特に引き留められることもなかったので、
呆気なく職場を去ることになり、
その場で書類に署名捺印させられた。
日割り計算した給料は振り込みすると言われて、
私はまたもや、仕事を失ってしまった。
片付けをして帰ろうとしていたら、
電話が鳴ったので、反射的に電話を取ると、
マダムからだった。
「酒井様、いつもお世話になっております」とご挨拶をして、
既に昼間、話していたことだったが、改めて挨拶しようと思い、
「酒井様、わたくし、一身上の都合で本日付で退職することとなりました。
これまでお引き立ていただきまして、心より御礼申し上げます」と言っているのを聞いて、
マネージャーが私から受話器を奪って、話を続けた。
「えっ?そんな…。
酒井様…」
マネージャーの顔がみるみる青くなる。
電話を切ると、肩を落として、
私の方を見て、
「やっぱり仕事、続けて?」と言った。
「いいえ。結構でございます」と言うと、
「酒井様、もう生け込み頼まないって。
花代込みで1ヶ月100万の仕事だったのに…」
「あら。随分とぼったくってたんですね?」と言ってしまった。
「おまけに、酒井様にご紹介頂いてたお客様についても、
全て今後はお付き合いしないって…
考えたらみんな、あんたご指名の顧客だったな」
「名簿とか連絡先とか、持ち出しは致しませんので、
ご安心ください。
でも、先方から知らされている電話番号については、
その限りではございませんので」と言った。
「それとポールさんも…今後も来日した時の通訳とアテンドは、
個人的にわたくしにと仰ってました。
これまでの通訳は花も知らないような人ばかりだったとこぼしてらっしゃいましたよ?
それにアシスタントにつくスタッフにも、
下準備にご不満だったそうでした。
皆さま、ポールさんの著書、熟読されてからアシスタントにつくべきでしたね」と付け加えた。
「では、失礼します」と言って店を出た。
花屋に戻ると、
「皆様にご迷惑をお掛けするだけなので、退職します」と伝えた。
特に引き留められることもなかったので、
呆気なく職場を去ることになり、
その場で書類に署名捺印させられた。
日割り計算した給料は振り込みすると言われて、
私はまたもや、仕事を失ってしまった。
片付けをして帰ろうとしていたら、
電話が鳴ったので、反射的に電話を取ると、
マダムからだった。
「酒井様、いつもお世話になっております」とご挨拶をして、
既に昼間、話していたことだったが、改めて挨拶しようと思い、
「酒井様、わたくし、一身上の都合で本日付で退職することとなりました。
これまでお引き立ていただきまして、心より御礼申し上げます」と言っているのを聞いて、
マネージャーが私から受話器を奪って、話を続けた。
「えっ?そんな…。
酒井様…」
マネージャーの顔がみるみる青くなる。
電話を切ると、肩を落として、
私の方を見て、
「やっぱり仕事、続けて?」と言った。
「いいえ。結構でございます」と言うと、
「酒井様、もう生け込み頼まないって。
花代込みで1ヶ月100万の仕事だったのに…」
「あら。随分とぼったくってたんですね?」と言ってしまった。
「おまけに、酒井様にご紹介頂いてたお客様についても、
全て今後はお付き合いしないって…
考えたらみんな、あんたご指名の顧客だったな」
「名簿とか連絡先とか、持ち出しは致しませんので、
ご安心ください。
でも、先方から知らされている電話番号については、
その限りではございませんので」と言った。
「それとポールさんも…今後も来日した時の通訳とアテンドは、
個人的にわたくしにと仰ってました。
これまでの通訳は花も知らないような人ばかりだったとこぼしてらっしゃいましたよ?
それにアシスタントにつくスタッフにも、
下準備にご不満だったそうでした。
皆さま、ポールさんの著書、熟読されてからアシスタントにつくべきでしたね」と付け加えた。
「では、失礼します」と言って店を出た。

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