この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水曜日の恋人
第1章 出逢い
5分前にラウンジに着いたら、もう酒井さんは判りやすい席に座ってコーヒーを飲んでいた。

「先程はどうも」と言いながら、
立ち上がって椅子を引いてくれる。

ほら、紳士的じゃない?


同じコーヒーをと頼むと、
「早速ですが」
と、いくつかタブレットで物件を見せてくれた。


そして、もう少し話をしながら夕食でもと、
近くの駅ビルの高層階にある和食屋に連れて行かれた。


個室で、どう考えてもお高そうな店の佇まいだ。
私に渡されたメニューには、
一切金額が書かれていなかった。


「好き嫌いやアレルギーはありますか?
お酒は飲める口?」
と訊かれたので、
好き嫌いもアレルギーもないことと、
お酒は弱いことと、
ビールは苦手だけど、日本酒は好きですと答えた。


「面倒だからコースで良いかな?
日本酒は、そうだな。
これにしよう」
とてきぱき決めて、注文する。
流石に社長さん。
決断力が早い。


「どの物件が気に入りましたか?
明日で良ければ、内見しますか?」

「えっと、一番最初に拝見したお部屋が気に入りました。
でも、お家賃がちょっと無理かなと…」
私は正直に答えた。

「なるほど。
僕もあの中では、その物件が良いと思いました」


楽しく食事をしながら、
これまでやってきた仕事。
両親のことや、学生時代のこと。
決まりそうな仕事のことや、
ダブルワークで教室をやりたいことなど、酒井さんに話した。

店を変えてバーに行ったが、聞き上手で勧め上手だった。
そんなお酒の影響もあって、
いつもより饒舌になっていた。


話は私の離婚のことになった。
仕事関係者でもなく、英一とも会うこともない相手だったので、
結構ストレートに話してしまった。

3歳歳上の英一とは、会社で出会って結婚したけど、
子供が出来なかったこと。
そのことで、お姑さんからプレッシャー掛けられていたこと。
出来なかったのは、誘っても向こうが断っていたことで、すっかりセックスレスになっていたこと。
そんな中、いきなり面識もない会社の女性が、
子供が出来たから別れてくれと言ってきて、
そのまま家を出て離婚したことを、
淡々と話していた。

そして、
「私ってそんなに魅力がなかったんですかね。
なんであんなオバさんなのかな?」
と言った時には、私は思わず悔し泣きしていた。


/116ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ