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水曜日の恋人
第11章 マダムの遺言
「ビデオ越しの貴女は、
とても初々しくて、可愛かったわ。
一度見てみたいと思って、
あのバーにも行ったのよ?
小部屋の隣から観てたの。
息遣いも聴こえるほどの処でね。
本当に可愛らしくていじらしいと思ったわ」
あの夜、隣の部屋で?
全く知らなかった。
「フローリストをしていることも聞いていたから、
生け込みは早くからお願いして、
時々話をしながら、観察させて貰ってたの。
きちんとした受け答えをする。
仕事に誇りを持って丁寧にしている。
わたくしが居なくなったら、
この屋敷と酒井を託したいと思うようになったわ」
「えっ?」
「わたくし、子供も産めない身体で、
しかも心臓に負担が掛からないようにと酒井と性的な関係を殆ど持てないまま、この歳になってしまった。
昔は嫉妬心もあったわ。
おまけにどうしようもない女と関係を持つことも許せなかったし」と笑う。
「でもね、貴女なら良いわと、酒井から言われた時、
直感的に思えたの。
酒井から、好きな人が出来た。
一目惚れしたと言われたのも初めてだったしね。
どんなことしてるのか見せて貰って、
わたくしが出来なかったことを必死にしてくれていて…
嫉妬心も湧かなかった。
寧ろ、わたくしが若返って酒井としているような気持ちになったこともあったわ。
だから酒井には、もう一度、パイプを繋げる手術をするように言ったの。
妊娠させることが出来るかどうかは五分五分と言われたそうよ。
でも、授かれたらそれは素敵なことだから、
勿論産んで欲しい」
私は無意識のうちに涙を流していた。
「それと、蒼さんを連れてきたのは、
遠縁ということもあるけど、
酒井の年齢を考えたらね、
貴女を悦ばせることが出来なくなる日が来るのは判っているから…
貴女が知らない男性の処に走るより、
知っている蒼さんとそういう関係を持って貰いたかったの。
それにね、血液型も酒井と同じだから、
もしも酒井が妊娠させることが出来なくても、
貴女が嫌でなかったら、蒼さんとも関係を持って、
それで妊娠したら、そのまま、酒井との子供として育てれば良いと思ったの、
どちらが父親かなんて、どうでも良いじゃない?
天から授かった子供と思って?」
それについては、私は頭の中の整理が出来ていなかった。
とても初々しくて、可愛かったわ。
一度見てみたいと思って、
あのバーにも行ったのよ?
小部屋の隣から観てたの。
息遣いも聴こえるほどの処でね。
本当に可愛らしくていじらしいと思ったわ」
あの夜、隣の部屋で?
全く知らなかった。
「フローリストをしていることも聞いていたから、
生け込みは早くからお願いして、
時々話をしながら、観察させて貰ってたの。
きちんとした受け答えをする。
仕事に誇りを持って丁寧にしている。
わたくしが居なくなったら、
この屋敷と酒井を託したいと思うようになったわ」
「えっ?」
「わたくし、子供も産めない身体で、
しかも心臓に負担が掛からないようにと酒井と性的な関係を殆ど持てないまま、この歳になってしまった。
昔は嫉妬心もあったわ。
おまけにどうしようもない女と関係を持つことも許せなかったし」と笑う。
「でもね、貴女なら良いわと、酒井から言われた時、
直感的に思えたの。
酒井から、好きな人が出来た。
一目惚れしたと言われたのも初めてだったしね。
どんなことしてるのか見せて貰って、
わたくしが出来なかったことを必死にしてくれていて…
嫉妬心も湧かなかった。
寧ろ、わたくしが若返って酒井としているような気持ちになったこともあったわ。
だから酒井には、もう一度、パイプを繋げる手術をするように言ったの。
妊娠させることが出来るかどうかは五分五分と言われたそうよ。
でも、授かれたらそれは素敵なことだから、
勿論産んで欲しい」
私は無意識のうちに涙を流していた。
「それと、蒼さんを連れてきたのは、
遠縁ということもあるけど、
酒井の年齢を考えたらね、
貴女を悦ばせることが出来なくなる日が来るのは判っているから…
貴女が知らない男性の処に走るより、
知っている蒼さんとそういう関係を持って貰いたかったの。
それにね、血液型も酒井と同じだから、
もしも酒井が妊娠させることが出来なくても、
貴女が嫌でなかったら、蒼さんとも関係を持って、
それで妊娠したら、そのまま、酒井との子供として育てれば良いと思ったの、
どちらが父親かなんて、どうでも良いじゃない?
天から授かった子供と思って?」
それについては、私は頭の中の整理が出来ていなかった。

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