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水曜日の恋人
第11章 マダムの遺言
香織さんがこの手紙を読んでいるということは、
わたくしが入院などして昏睡状態になっているか、
亡くなった後のどちらかだと思います。


亡くなった後の場合は、酒井が喪主として葬儀を出した後、
速やかに酒井と再婚してください。
聡明な香織さんなら、
この屋敷の女主人としても安心ですし、
なんなら酒井の仕事のパートナーになることも出来ると思います。


まだわたくしが存命しているようなら、
順番を間違えないよう、
以下のことをしてください。


まず、酒井とわたくしの離婚届を提出する。
財産分与は1/2。
屋敷の権利と酒井の会社の株式はわたくしに遺すこと。

次に香織さんをわたくしの養子にする為の養子縁組の届けを出してください。

こうすることで、わたくしの手元に残ったものを唯一の相続人である香織さんに託せます。

ある種の節税対策と考えてください。
白い封筒に、わたくしの分の署名捺印は済ませてあります。
詳細は弁護士にも伝えてありますので、
それを持って酒井と一緒に弁護士事務所へ行ってください。

そして、わたくしが亡くなったら、
香織さんが喪主で、わたくしを見送って、
その後、酒井と再婚してください。



いずれの場合でも、
香織さんが酒井と再婚するのが嫌でしたら、
以下のようにしてはどうかと思います。

前者のパターンなら、
わたくしの暮らした1階の部屋に住んでアトリエを使ってください。
酒井と同じ屋敷に住まうのがお嫌なら、
出て行くのでも良いですが、
離れのアトリエはお使いになってください。

後者のパターンなら、
この屋敷に香織さんが住んで、
酒井を追い出しても良いでしょう。
酒井には会社もあり、
わたくしとの離婚で財産分与も済んでいます。
何なら、香織さんが相続した株式を酒井に売却しても構いません。


香織さんがどのような選択をされても、
わたくしはそれを尊重します。


ただ、
香織さんと酒井が2人、
この屋敷に住んで、
跡継ぎとなる子供を育ててくださるのを心より願っております。


それがわたくしの唯一で最後の希望です。



酒井茉莉子
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