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先輩!彼氏にしてください!
第9章 青春の文化祭
「そういえば一階でリンゴ飴売ってたんで、そこ行きません?」
「え……なんで……」
リンゴ飴食べたいって思ったこと、バレてんの?
「あぁいうの、きっとほのか先輩好きですよね?」
「………………よく分かったね」
私の言葉に、谷川くんは、ニコリと笑った。
「分かりますよ。ほのか先輩の事大好きですから」
それって説明になってない気がするけど。
まぁ細かいことはいい…か。
今度は、ちゃんも自分の意志で、流されてあげよう。
「行く。けど……」
谷川くんの頭に手を伸ばした私は、手櫛で少し伸びた前髪を前に下ろす。
「………目立たないようにして」
「……? 僕?ですか? そんな目立ったりしませんて」
「いや、さっき女の子にキャーキャー言われながら囲まれてたじゃん」
「え…?」
首を捻っている谷川くんに私は引き攣った笑みを漏らす。
え?じゃないでしょ。
あんなに騒ぎ起こしておいて当の本人が無意識なんて、そんなことある…?
「………そんなことより、ほのか先輩の方こそ目立たないようにしてください。そのかわいすぎるの、今日は抑えてください」
そう言いながら、谷川くんは私の両肩を掴む。
そして、長くなった前髪の奥からじっと私を見つめると小刻みに震え出した。
「………なに、どうしたの」
「いや…どうしたらほのか先輩のかわいさって収まるのかなって。でも無理ですね……どこをどうしても究極にかわいい…」