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先輩!彼氏にしてください!
第11章 先輩!彼氏にしてください!




∝─── ほのかside ───∝




大きな建物を見上げながら、被っている麦わら帽子が落ちないように頭を押さえる。



入り口には、今回のコンクールの授賞式であることがでかでかと記載されていて、何やら報道陣ぽい人たちも何にもいる。



………本当に、私なんかが来ていい場所だったんだろうか…



冷や汗なのか、単純に暑いからか、出た汗をハンカチで拭う。



すると、入り口で、見覚えのある姿の人が大きくこちらに向かって手を振ってきた。




「おーーい! 安藤さーーん!」


「早坂先生……」




あんまり大声を出すので慌てて駆け寄って、しぃ!と声を止めさせる。



「声、大きすぎます」


「いやぁ、ごめんごめん、知らない人ばかりと話していたから心細くってね。つい……」



そう言いながら頭を掻く先生は、いつも通り、まるでどこかの世界の魔女みたいな服を着ている。


生徒の晴れ舞台なんだからもう少し何か服はなかったのだろうか…………と思わずにはいられない格好だけど…まぁ別にいっか。



「もう少しで始まるから、ね」


「………はい」



室内に入っても、なんとなく恥ずかしくて帽子を被ったままあたりを見回す。


見たこともないようなカメラや三脚と言った大きな機器が至る所にある。



「いやーそれにしても安藤さん」


「は、い」


「服気合が入ってるねー」



「え」と声を上げながら、自分の服を改めて見直す。


シンプルな薄い花柄のワンピース、ってだけだけど、気合い入りすぎているんだろうか?

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