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先輩!彼氏にしてください!
第12章 欲求不満な彼氏彼女
控えめに唇が重なる。
これからどんどん深くなって、腑抜けちゃうような、そんなキスをしてくるに違いない。
調子に乗った谷川くんは何なら私の制服の中に手を伸ばしてくるかもしれない。
流石に学校なんだし、そうなったら止めないと───…
脳内でグルグルとそんなことを考えながら、その先を半ば期待していたその時、谷川くんはスッと身体を離して無理な笑顔を見せた。
「………ほんと…幸せ過ぎて、死にそうです」
引き攣った顔を見ながら、私は口をギュッと結んだ。
変に焦らされているような、そんな気分だ。
ハハハと笑う谷川くんを見ながら、ふぅ…と息を吐いた。
「今週末だけど」
「はい……?」
「……どこか、行かない?」
「えっ…!?!? あっケホッッ」
私の誘いが予想外だったのか、谷川くんは分かりやすく動揺したあと大きくむせ出したので私は急いで持っていたお茶を差し出した。
少しして落ち着いた谷川くんは、咳払いをしたあと、その綺麗な瞳をチラッと私に向けた。
「あの、それってデートってことですよね……?」
「………名前は何でもいいよ」
「じゃあ……デートってことにしてください」