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先輩!彼氏にしてください!
第3章 スーパー新会員
「でも、ダメです。先輩の彼氏になるのは僕なので触らないでください。話し掛けるのも遠慮して欲しいくらいです」
「あーー…っと…」
「星野先輩は、『明るくて、笑顔が素敵で、みんなに慕われてて、優しくて、大人で、スポーツしてて、体も筋肉がムキムキで、よく食べる』方ですよね。ほのか先輩のタイプの項目でクリアしてないのは『頭がいい』だけ。つまり要注意人物なので」
手を離された星野くんはよろめきながら、顔を引き攣らせている。
谷川くんが生徒会に入会して数分。
すでに、星野くんは谷川くんを入れたことを後悔しているに決まっている。
「なんか…すごい失礼なこと言ったろ、お前」
「……? 言ってないです。むしろ褒めたつもりだったのですが…」
「………こいつ…やばくない?」
ほらね。
「だから言ったじゃん」
私がため息を吐くと、「てゆーか」と星野くんが言葉を添える。
「安藤、お前理想高すぎじゃね?」
「………うるさいなぁ」
そりゃ……谷川くんを押しのけるために適当についた嘘なんで。
そんなスーパー人間いるとは私だって思ってない。
「勘違いさせたんだか、なんだか知らねぇけど、安心しろ、俺安藤には別に興味ねぇよ」
「ちょっ……」
それはそれで失礼じゃない?と言いかけたところで「え?」と谷川くんが首を傾げた。
「ほのか先輩に興味がな…い……? あぁ、つまり星野先輩は同性愛者ってことですか?」
「ちげぇーよ!!」
「え? じゃあどういうことです? 意味が分かりません」
何だか…居た堪れなくなってきてしまった。
なんで私が恥ずかしいって思わなきゃいけないのか…
呆れている私をよそに、葵ちゃんだけは谷川くんの反応を見てキャッキャと楽しんでいた。